社団法人 透析医学会  「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」 の要約と附則

       1.詳しいことは、透析医学会の「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」を読まれることを
        お勧めします。 ( 透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン  2006年版 参照 )

         ここでは、ガイドラインで述べられている結論のみを記述します。
         * 尚 ガイドラインは、数年単位で更新されますから、最新のガイドラインを参照されることをお勧めします。

         1.透析患者における i - PTH ( インタクトPTH)値の適正範囲は、透析前数値で60〜240pg/ml。
                            ( Intact PTH の管理目標は生命予後がもっとも良好と考えられる60〜180pg/mL とする。)

         2.血清P(りん)値の適正範囲は、3.5〜6.0mg/dl。

         3.血清補正Ca(カルシュウム)値は、8.4〜10.0mg/dl。

           * アルブミン値が、4.0g/dl 以下である時は補正Ca値を使用する。
                  補正Ca値=Ca値+(4−アルブミン値) で求める。

         更に、ガイドラインでは、これら3項目について、優先順位が付けられている。
         それによると、弟一義は、血清P値であり、これが、最優先すべきものと位置付けられていた。理由は、ガイド
        ラインにて把握されたい。

         そして、第二は、血清Ca値であり、この二つが適正範囲内にあって、はじめて i - PTH の適正範囲を論ずる
        べきであると記述されている。

         今まで、私は、個々の適正範囲内でしか考えていなかったので、狭い知識であったことを思い知らされた。

         とすると、私の血清P値は、透析前 3.0前後であり、正常範囲外であり、P吸着薬の使用は、もっと早く停止
        すべきであったのだろう。低P血症に陥っていたことになる。ずっとである。でも、現在に至るまでこれという障害
        もないのであり、やはり、低P血症は、それほど心配することでもなさそうである。むしろ、高P血症の方が、問題
        になるのでしょう。6.0mg/dl 以下に抑えることの方を重視することを強く考えておく必要があろう。

      2.附則 

                                              透析に於ける 血液検査の リンとインタクトの相関について

                 a.平成24(2012)年9月3日の血液検査に現れた数値
                      i-PTH値    178
                                                 P  値      5.7
                                                 Ca 値      8.6 であり、P値は、かろうじて適正範囲内にとどまっております。P値、i-PTH値は、
                       (透析前 数値)        過去の透析結果のなかでは、一番最高値を示したと言えましょう。
                                         それ故、Drから甲状腺の検査をしましょうとも言われた。きっと、今
                                        までにない数値であった為に、心配されたのかもしれません。
                                         現在、オキサロールは、週3回 2.5マイクロ単位であります。

                    *  P値の値が、過去最高になったことは、多分にP吸着薬(フォスブロック錠)の呑み忘れと、フォスレノ
                     ール(チュアブル)錠を最近、使用しなくなった事とも関係していると考えます。

                  b.P値とi-PTH値の相関   ( 数値は、すべて 透析前 )
                    @          H24/9/3 H24/8/20 H24/8/6 H24/7/23 H24/7/9 H24/6/24 H24/6/4 H24/5/21
                        P値       5.7        4.2       5.0       4.8        3.6       4.0     5.0        4.5
                        Ca値      8.6    8.9   8.5   8.4    9.1    8.9   8.8   8.9
                        i-PTH値    178    127   158   110    103    116   147   138

                      *  最近の数値でも、過去の数値でも似たような傾向を示しています。つまり、P値が高ければ、i-PTH
                                                  値も高くなっているということであります。P値が下がれば、i-PTH値も低くなる傾向を示すようです。
                        P値とi-PTH値は、相関関係が、非常に高いと言わざるを得ません。当然と言えば当然の結果でしょう。

                        透析患者は、i-PTH値を上げないように、透析後、血液中にオキサロールという薬品を注入し、甲状腺
                       が肥大しないように週 0〜3回( 人によって違いますが、注入しております。) 注入しますし、1回あたり
                       2.5マイクロが最低量であり、5、7.5と上がっていくのでしょう。適正な i-PTH値を維持する為には、継続
                       するのが、通常の措置であります。適正値以下の数値に到達すれば、速やかにオキサロールの休止乃
                       至は、注入を中止すべきと考えます。

                        本来は、人間の体内で自動的に行われる過程が、腎臓が悪くなったばかりに、適切に行われなくて、薬
                       により、バランスを保っているといっていいのでしょう。

                        一番良いのは、透析によって、P値が適切に管理され、薬に頼らなくても良い事ですが、残念なことに、
                      たんぱく質は取れば、取るほどP値は上がる事。生きていく以上透析患者といえども、良質のタンパク質は、
                      必要量は取らざるを得ません。透析前 アルブミン(体内たんぱく質とでも言いましょうか。)値は、理想は、
                      4.0以上でしょうが、私自身は、4.0は、夢のまた夢、3.8〜3,9がやっと。ちょっと食事で、タンパクの
                      量が不足しますと、途端に3.6か3,7に経験上、下がります。

                    c.P吸着薬の適正な管理
                       透析患者は、薬の飲み忘れは、真に慎まなければならないことでありましょう。P値に即、直結するからで
                      あります。 

                       今回は、外食が、多く、薬の携行忘れの為、飲みませんでした。反省しなければなりません。(平成24年
                      9月8日 記載 )

                      <参考>
                       日本透析医会 監修の「慢性維持透析患者の透析ガイドライン 平成10年度」の概要を記して置きます。
                       http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/07_manual/doc/man.pdf を参照されたい。

                                                 
                                       
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