透析血流量を上げるためには
1.はじめに
私の場合は、当院Drの規定概念(血流量 200〜250mL/分)があり、それ以上では、責任が持てないという認識に阻まれ、なかなか血流量
を上げる許可が出なかった。
私の体をつかって、透析血流量を400mL/分まで上げても何ら異常は出ない事を肌で知ってもらうしか無かった。それ故、透析血流量は、1ヶ
月に10mL/分ずつ上げて、その様子を見てもらうしかなかった。本当は、1週間で10mL/分でも、透析1回毎に10mL/分の上昇でも体への異
常(透析不均衡症候群が異常に出なければ、可)が出なければ、他の先進的透析病院では、出来るだけ早く目標の血流量に達するよう10mL/
分ずつ上げてみえます。それ故、血流量を早く私自身は上げたかったのですが、当院の事情があり、ゆっくり上げざるを得ませんでした。
透析血流量の上げ方を私の記述から参考にされている方があるとお聞きし、改めて拙稿を記述する事と致しました。
*
透析不均衡症候群
私も、透析導入時に、経験しております。ほとんどこうした症例が多いのでしょうが、維持期でも起こる
とか。主は、尿素の血管内での増減が関わっているのでしょう。
聞けば、「血管内の毒素である尿素は、透析で、かなり早く除去されるようであります。ところが、脳内
の血管に存在する毒素の尿素は、脳組織を保護する血液脳関門があるため緩徐にしか低下しないという。
そのため、尿素が脳組織で高濃度、血液で低濃度となり浸透圧の差が発生し、脳内へ水分が移動するようで、
この結果脳浮腫状態となり、脳の諸症状(頭痛や嘔気、嘔吐などから、場合によっては意識障害に陥り、死に
至ることもある。)が発生するのである。」とも。
尿素増減以外にも、発症するようですが・・。*
2.私の透析血液検査データの記録
確かに、上記記録は、透析血液量を1ヶ月毎に10mL/分単位で上げている。この方法しかないと思わないで頂きたい。あくまで
通院している施設の事情に応じて対応される事が肝要かと思います。
該当透析施設の責任者は、自らの判断の責任を負っています。しかし、先の分からない事柄(Drの未知の領域)については、慎重
にならざるを得ない状況があるのでしょう。結局は、患者自身の強い自己判断が無ければ、突破出来ない事のようです。
透析血流量を上げる事は、病院経営的には、病院の費用の持ち出しは無く、受け入れられやすい事柄です。対して透析時間の延長は、
病院的には費用が掛かりますから、その対応には、病院経営者の抵抗が、有るようです。こうした病院側の経営面の事柄も知りつつ透
析患者は、粘り強く病院経営者と交渉していく事が必要になってきます。
とすれば、先進的に取り組んでみえる透析施設のDrのノウハウを吸収すればいいのですが、何せ透析病院経営者の主流派は、低い
血流量の施設が多い事も事実。その日その日の透析が恙無く行えれば、透析患者が、そうした透析中に死に至らなければ、経営として
成り立つし、透析費用の取りっぱぐれも無い。某都内の透析医は、透析で得る収入を「定期預金」とまで言われているようですから。
4時間透析が主流の透析病院で、潰れたという新聞記事は目にした事は、無いし、私自身聞いた事もありません。かえって立派な透
析病院に建て替えたり、某透析病院長は、新規の透析患者の確保に、裏金を使ったとかは最近あったようです。新聞沙汰になった事も
ありますからご存じの方もありましょうか。
こうした事を聞くたびに、医は仁術ではなく、医は算術と揶揄したくなります。貧乏人の僻みではありますが・・・・。