透析 静脈圧と血流量と穿刺針の関係

            1.はじめに
               透析を始めて早10年。やっと透析中の静脈圧について患者側も時々は注視していた方がいいという事に気づかされた。
               透析中の静脈圧については、詳しいことは、http://www.nininkai.com/faq/topics_board.cgi?mode=cat&id=32 ( 人工透析 二人会 静脈圧
              の項目)を参照されたい。
               概略は、省略致しますが、只、静脈圧は、200mmHgを超えるようだと静脈にかかる負担は大きいと言えるようで、また、さらに上昇した場
              合は回路内の疑血を招く恐れもあるようだと。
               某透析病院のDrによれば、透析中の静脈圧は、250mmHgが許容範囲とか言われているようですが・・・・。

               ご自分の透析中の静脈圧を、1時間毎に血圧測定時聞く事も必要かと思います。そして、最適な静脈圧を知っていれば、異常かどうかを判断
              し易い。
               血圧測定時に、病院関係者は、あまり静脈圧まではご覧になっていないかのような印象を持ちますから。

            2.静脈圧と血流量と穿刺針号数との関係
                     穿刺針別の血流量と静脈圧の関係  (http://touseki.loglog.jp/14.1.htm より引用)

                    

                                                                                 
                                        *  穿刺針のゲージ数の後ろのMedicut AVF DellNeedleは、穿刺針製造販売会社による表示・若しくは針の形・カテーテル等の違いであ
                   りましょう。
                                            「透析用針は大きく2種類に分けられるようで、
                     1つは、クランピングカニューラタイプで、外筒はポリプロピレンあるいはテフロン製で内筒が穿刺針と成っているもの
                     2つ目は、AVFニードルタイプで金属製の留置針の後ろにシリコンチューブが付いたもののようです。
                     一般的に、クランピングタイプは比較的高価で、AVFは安価な傾向と成っているようで、様々な滅菌方法が有りますが、最近は電子線
                    滅菌が主流となってきているとの事」*
                
                                      上記の表から静脈圧に関わっているのは、血液流量であり、穿刺針のG(ゲージ)数であることは明らかでありましょう。現在透析中に200
                mmHg以上の静脈圧である場合、針の太さを1G(ゲージ)下げるだけでも下がる場合があるようです。自分にあった穿刺針の検討が必要で
                はないでしょうか。

                  私もそうでありましたが、静脈圧は、コンソールの正面からしか見れませんので、患者自身で起き上がってしか見ることは出来ない構造に
                 なっています。患者が起き上がれば、自然と静脈圧は20〜30mmHg上昇するようです。

              3.静脈圧の上昇
                 同一血流量・同一穿刺針であっても、静脈圧は、上下します。その場合の過度の上昇では、考えられる事柄は、以下のようであります。
               
                   ・ 静脈側クランプの解除忘れ
                   ・ 不適切な穿刺針の位置や向きは、静脈圧上昇の原因となりうる (概ね 鉄針使用時は、これが原因で静脈圧が上・下していた。)
                   ・ 穿刺針の先端に血栓や痂皮が入り込んだとき
                   ・ 静脈側(返血側)血液回路チャンバーの凝血
                   ・ ヘパリンの注入忘れ
                   ・ 血液ポンプを高速回転すると静脈圧は上昇する
                   ・ 血流量に見合わない太さの穿刺針を静脈側に使用しているとき
                   ・ AT IIIの欠乏 (アンチトロンビンV・・・肝臓で産生される抗凝固活性ホルモン)
                                                     (上記内容は、http://touseki.loglog.jp/14.1.htm からの引用であります。)

                 私の場合は、鉄針 15Gを使用していた時、穿刺針の角度等をナースさんに変えていただくと静脈圧 180mmHgが保てました。
                 最近では、テフロン針 15Gにしましたので、ほぼ静脈圧は、安定しているようです。鉄針よりテフロン針の方が、血管には、やさしいし、抜いた
                後の始末の事故を防ぎ易いようです。

                 かっては、鉄針穿刺の時は、静脈圧の下限・上限でよく透析が中断しておりました。透析スタッフの方は、コンソールの再起動をするだけで、患者
                側から穿刺針の角度調整等の依頼をしないと何もされないのが、現状でありました。
                 あまり静脈圧については、関心がないかのようであるというのが、私の印象であります。すべての透析病院がそうであるとは思いませんが・・・。
                 当院のDrに静脈圧の上限をお聞き致しましたが、返血が出来ればいくつでもいいという答えでした。うちのDrは、あまり具体的な数値は、言われる
                ませんので・・・。

                  * 個々の患者さんには、一番適切な透析静脈圧がありそうです。それを早く把握すれば(私の印象では、透析スタッフにそれを期待しても?で
                  しょうが・・・。)
                     適切な透析静脈圧より高い場合・・・・返血側の穿刺針が不適切な場合が多い。
                          〃       低い場合・・・・・血をコンソール側へ出す側の穿刺針が不適切な場合が多い。 
                   折角の透析です。1回の透析を最大限の効率で、終了したいものです。
                                                                                  
                 鉄針穿刺では、ナースさんの穿刺技術に左右されそうという印象があります。
                 鉄針を使用しての透析を受けている患者さんは、特に静脈圧に留意されん事を!極めて個人的な感想であります事をお断りしておきます。







             

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