私の1ヶ月にかかる 透析費用について

            1.はじめに
               透析患者の毎回の透析費用は、全額自己負担ではないようになっております。かって、三割負担であった
              時、その費用を支払う事が出来なくなった時が、生死の分かれ目となっていた時期もあったのではないでしょ
              うか。

               私は、知りませんでしたが、人工透析で長生きして見える方(水分管理が十分出来得た方のみでありましょ
              う。)のなかには、その事を知ってみえるようでした。

               いったい、1ヶ月どれほどの費用が、実質かかっているのでしょうか。最近は、市の国保係からあなたの
              掛かった医療機関の費用は、これだけでした。と通知がくるようになっており実際の費用は、分かってきまし
              た。それまでは、まったく知らなかったというのが、本当のところでした。総額は、市の通知で知りえますが、
              仔細は、内訳はどのようになっているのかと思っていましたら、全腎協の機関紙 No,251に具体的な記載
              がありました。それを参考にして、私自身の透析概算費用を計算してみました。

            2.私の1ヶ月当たりの透析費用の概算例
               透析費用は、診療報酬により決められているようです。最近の改定は、平成24年4月1日であります。
               その改定に基づいて、1ヶ月の透析費用を出して見ようと思います。

                 @ 再診料(診療所)                       69点       690円 (透析1回あたり)
                 A 人工腎臓( オンラインHDF 時間区分なし)      2255点     22550円     〃 
                 B 透析水質加算2  (今回新設)               20点       200円     〃
                 C 人工腎臓用特定保険医療材料                        3920円     〃
                     (ダイアライザー膜面積2uV型の場合     1870円  今回新設)
                     (血液回路、16Gの針 2本、ヘパリン入れ容器                
                     生食、消毒薬、透析中に使用する看護士用ゴム手袋、
                     血液検査時の針及び容器代等諸々   概算で2050円としました。)       )
                 D 透析用ヘパリン 5000単位               142点       1420円
                 E 1回当たりの透析費用                             28780円           〃

                 F 1ヶ月当たりの透析費用  28780円×12回             345360円
                 G 1ヶ月慢性維持透析患者外来医学管理料      2305点      23050円
                     (Dr 1回当りの外来医学管理量は、1773円位でしょうか。Drの回診のないまま帰られた患者さんには、
                      請求できない筈でありましょう。が、トータル一ヶ月単位での請求が可能なのかも知れません。)
                                     H 1ヶ月当たりの実質透析費用                        368410円

                 I 1年間にかかる透析費用 368410円×12ヶ月           4420920円 (約 450万円弱)
                                     J 10年間にかかる透析費用                       44209200円 (約 4500万円弱)

                                 こうした透析費用を算出されている透析 HPもあり、更に詳しく述べてみえます。参考までに記載しておきます。
              参照されたい。 http://www.nininkai.com/housyu.htm であります。私の尊敬する透析 HPである 透析二人会 
              です。そこには、人工透析の診療報酬の年次的変遷が述べられてもおります。 

                                  上記の算定は、平成24年の頃であり、平成26年では、4月1日に改訂があり、以下のようになるのでは・・。
                  1ヶ月当たりの透析費用
                   @ 再診料                               72点       720円(透析1回あたり)
                   A 人工腎臓(オンラインHDF 時間区分なし)であれば   2245点     22450円    〃
                     或いは 通常透析として 5時間以上    であれば   2340点     23400円    〃      
                   B 透析水質加算2                          20点        200円         〃
                   C 夜間・休日加算                          300点      3000円    〃
                                                  夜間・休日加算は、17時以降に開始した場合か、21時以降に終了した場合または休日に行なった
                                                場合に加算される。(二つ以上の条件が重なったとしても、いずれも300点のみで請求カ)
                   D 人工腎臓用特定保険医療材料                 183点      1830円    〃
                      V型2.0u以上ダイアライザー(回路を含む)新設   
                   E 透析ヘパリン 5000単位                    99点       990円    〃
                    この他にも、透析液薬剤(概算で、500円程度とか聞きました。)・医療用ゴム手袋・ホルモン剤(エスポ・オキ
                   サロール等)等があり、これらは、計算に入れませんでした。(この部分の諸費用もまるめの部類であるのかも
                   知れません。・・筆者注)
                    以上 1回当たりの透析費用                             29190円
                   F 1ヶ月当たりの透析費用 小計    29190円×12回(平均)      350280円
                   E 1ヶ月慢性維持透析患者外来医学管理料         2250点     22500円
                       この項目に含まれている検査は、胸部単純撮影・心電図検査・血漿蛋白免疫学的検査(CRP・B2
                      −MG等)肝炎ウィルス関連検査・感染症血清反応・内分泌学的検査(PTH等)血液科学検査(通常
                      の透析前・後検査)出血凝固検査・血液形態機能検査(HbA1c等)・糞便検査・尿沈査・尿中一般物質
                      定性半定量検査であるようです。詳しくは、透析二人会 HP上のpdfファイルを参照下さい。
                        http://www.nininkai.com/gif/gairaiigaku.pdf  です。

                                               *  ところで、D006 出血・凝固検査には、各種あるようですが、詳しくは、下記 HTMLファイルを参照されたい。
                      https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_3_1_1_2/d006.html 、透析患者への1ヶ月慢性維持透析患者
                     外来医学管理料には、E項目として、出血・凝固検査 出血時間測定 凝固時間測定がある。私は、未だ1回も
                     当院にて経験がありませんが、透析導入時のみの検査であろうか。当然ATV検査は、包括されていない。
                     1ヶ月慢性維持透析患者外来医学管理料についての脚注に、以下の記述があるようです。
                      「慢性維持透析患者外来医学管理料に包括される検査以外の検体検査を算定する場合には、その必要性を
                     診療報酬明細書の摘要欄に記載する。(平12.3.17保険発28)」と。

                      それで、平成28年2月10日(水)の回診時に、凝固検査にどのような種類があるかお聞きした時、ATVの効
                     能を認めない発言をされたのでありましょうか。「自費で行う事は構いません。」が、その検査の結果については、
                     信頼できないような事を言われていた。「認めていません。」と。上記の事と関わっている可能性が高い。*

                    以上1ヶ月当たりの透析費用概算                         372780円
                      * 透析患者が支払う金額は、準透析患者予備軍の方も含めて、障害者手帳4級以上であれば、全額
                      免除になるようです。詳しくは、最寄りの市役所 福祉課等で相談されたい。                                           

                                                 仮に、管理料に含まれる最大限の検査を私が受けたとすれば、そしてそれが、1ヶ月に集中したとして、
                     総点数は、1533点でしかない。管理料は、2250点である筈。残り(716点)は、どうなるのであろうか。
                       ・ 胸部レントゲン                                  210点
                       ・ 血液検査(前後)2回 総計                          1302点
                         ( 内訳 1回は通常検査(尿素窒素・クレアチニン・尿酸・ナトリウム・カリウム・カルシューム
                                         クロール・無機リン検査 1回当たり93点。透析前後となれば186点
                           * 当医院では、通常検査は、月2回前後の実施ですから、186×2= 372点
                              B2-MG検査 (1回に付き112点透析前後であれば)      224点
                              PTH検査                                 180点
                              フェリチン精密                              116点
                              血液検査(白血球・赤血球・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値    42点
                                     血小板数) 21点 当医院では、2回実施
                              CRP・アルブミン・血清鉄等・コレステロール等検査         40点  
                                                                  HbA1c(糖尿病検査)                           49点  )
                      このようには実際にはならず、計画的に月々に分散されているようです。上記点数は、平成26年度
                     の検査点数です。
                                         
                    所が、私の住む市からの私の1ヶ月当たりの透析費用は、40万円前後であります。とすれば、先ほどの
                   透析費用に含まなかった費用は、1ヶ月当たり30000円前後になるのでしょうか。1回当たりのそうした諸
                   費用は、3万円÷12回≒2500円前後になりましょう。(しかし、これらの諸費用も、包括されているという
                   記述もあり、よく分からない点であります事をお断りしておきます。・・筆者注)

                   * 腹膜透析がもてはやされた頃のある医療経営戦略研究所の某氏は、「患者 1 人当たりの利益は,HDで
                   8 万9,000円,CAPDで10万3,000円となるが,HDはベッドの稼動率に大きく左右される。また,1 時間あたり
                   の生産性を比較すると,多くのスタッフと労働時間を要するHDが1万2,667円であるのに対し,CAPDは27万
                   5,000円となる。」という事を言ってみえました。かなり古い時期の事でしょうが、参考になりえましょうか。

                                             更に、某週刊誌では、{人工透析も、病院にとっては重要な収入源。一度やり始めたら、一生透
                  析に通うことになるからだ。

                   「診療報酬の改定で、点数がやや下がったとはいえ、やはり透析患者を抱えるメリットは大きい。
                  医師の間では定期預金≠ニ言っています」(都内の開業医)

                   カネになるか、ならないか 。人工透析の患者は年々増加し、現在は約30万人もが治療を受け
                  ている。その原因は糖尿病の増加にあるが、もう一つ、こんな恐ろしい理由があるという。

                   「病院の収入を確保したいあまり、本当に透析が必要かどうか疑問のある患者でも、透析にし
                  てしまうケースがある。そもそも透析の基準自体が曖昧なんです。臨床症状、腎機能、日常生活
                  の障害程度を点数化して、合計60点以上なら透析になるのですが、日常生活の障害程度なんて
                  医者のさじ加減でどうとでも評価できる。腎不全を予防できる患者さんでも、きちんとした生活指
                  導をせずに、透析になってしまうことも多い。だから日本は、世界で最も透析患者の多い『透析天
                  国』と言われているんです。一度透析に移行してしまったら、続けなければ死んでしまいますから、
                  セカンドオピニオンは絶対必要だと思いますね」(同前)
*

                                 話を戻しまして、あくまで概算であります。 繰り返しになりますが、
               通常の血液検査(透析前 透析後共に 93点 930円)計 1860円かと。特殊な検査(アルブミン値・血糖値・
              コレステロール値等々)が入ると、診療報酬点数は、121点に増え、28点分高くなるようです。
               また、B2−MG検査は、一回あたり112点であり、1120円であるようです。感染症検査(HBe・HBc検査やイン
              タクトPTH検査・HCV検査)が入るだけで、診療報酬点数は、一気に上昇し、571点となり、5710円相当になるよ
              うです。こうした検査は、まるめで行われている事柄であると理解してよいのでしょう。
              
               こうした検査以外にも、腹部エコー、頚部エコー、心エコー等も、定期的に入っておるようです。こうした各種の検査
              は、上記の1ヶ月慢性維持透析患者外来医学管理料には、含まれず別に算定出来る検査等であるようです。
               私は、医療事務従事者ではありませんので、詳しい事は、分かりません。それで、病院のこうした点数を計算され
              る方にお聞きして記述致しました。その方は、病院ですので、病院が損をするような医療行為はしていませんからと
              も言われました。とすれば、まるめで行われている検査等で、果たしてどれだけの費用が実際通常の透析で、行わ
              れているのでありましょうか。実費が、管理料に満たない場合でもまるまる1ヶ月の管理料は、請求出来るのであり
              ましょうか。            
 
               私が、辛うじてわかる事は、胸部レントゲンの診療報酬点数は、210点(2100円)。HANP検査は、240点(2
              400円)位です。この検査は、透析をする上において、欠かす事の出来ない検査であり、毎回の透析時の徐水量
              算定が、適切であるかとか、心臓の大きさの測定、或いは、あってはならない動脈の石灰化の判定にも使える基
              礎となる検査であります。適切な透析が出来ているかいないか、命に関わってくる元となる検査であるのでは・・・。

               現在私が透析を受けている病院では、過去にHANP検査は、一回も行われていない筈。検査に1週間程度掛か
              り、徐水が適当かどうかの大よその見当が付く位の検査であるようです。それでも、胸部レントゲン(1ヶ月の管理
              料に含まれています)が、3ヶ月に1回では、その間の2ヶ月は、徐水が適切であるかの判断がつき難い場合もあ
              るのでは・・、という不安が患者側にはありますが、その間の病院側は、どのように患者の徐水量の判断をして頂
              いているのでしょうか。

                                 参考までに、透析医学会 安定期慢性維持透析の保険診療マニュアル(平成10年改訂)では、HANP検査に
              ついては、「19)HANP ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3ヶ月に1 回
                          心不全の病態診断やドライウエイトの評価のために行われる。」が望ましいと記述されていま
              した。

                                (おそらく、Drは、適切なDWの判断は、至難の業。また、少々の体内水分の超過があっても直ぐには命には関わ
              らない事項であり、3ヶ月の間に、DWを調整し、戻せば良い位に考えてみえるのかも知れません。私には、そろそ
              ろ体重を固定し、DWを75Kgにしたらどうかという話もされました。これって、患者に体重維持管理をしたらという事
              であり、逆からみれば、適切なDW管理をDrサイドで放棄するという事柄にも通じているような気が致しました。動け
              るようになり、体内脂肪を減少させている者にとって、今の時点で、体重を固定する事は、患者側にとって至難の業
              やんわりお断り致しました。
               そして、再度「水分が体内に残るという心配だけで、頻繁にレントゲンを撮るという事は、放射線量が増加し、よろ
              しくない。」と言われた。結局、Drの持論の蒸し返しであり、3ヶ月間隔でのレントゲン撮影という方針に変わりがない
              という事の繰り返しでありました。Drと患者間では、かくのごとく隔たりがあります。

               参考までに、同上の保険診療マニュアルでも、胸部レントゲン(正面)についての頻度は、以下のようでありました。
                     「25)胸部X 線撮影(正面)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月1 回
                         肺や胸郭の観察はもとより、心胸比により水分過剰の状態を把握する上でも必要であ
                        る。心胸比が50%以上のものは生命予後が悪いとされている。」と。

               念の為にレントゲン量の危険性については、私の担当Drは、どの程度を危険ゾーンと考えてみえるのかは分かり
              ませんが、放射線専門の長崎大学病院のDrは、「20歳未満の方の放射線量は、10ミリシーベルトでも発ガン性の
              危険を指摘されていますが、成人については、年間100ミリシーベルト以下であれば、問題は無い。」とも言われて
              います。仮に1ヶ月毎の胸部レントゲン撮影の被爆量は、約0.2ミリシーベルトであるという。とすれば、年間0.2×
              12=2.4ミリシーベルトでしかない筈。詳しくは、拙稿 信頼できる 人が年間受ける放射線量の限界は を参照され
              たい。でなければ、透析医学会のマニュアルにも1ヶ月毎の胸部レントゲンが望ましいとは、記載されない筈でありま
              しょう。
               結局は、体内に水分が残っていない限り私の担当Drは、その対策をして、結果どのようになったか、1ヶ月医療行
              為後の確認の為のレントゲン撮影はするという。健康診断的な行為は、認められないが、医療行為であれば、レント
              ゲン撮影を1ヶ月でも認めるという事でありましょう。透析医学会の慢性透析患者の維持管理ガイドラインでは、1ヶ
              月単位の胸部レントゲンが望ましいとも記載されていますが、あくまで指針でしかなく、実施については、当該透析病
              院に委ねられているようです。健康診断的な胸部レントゲンは、実施できません。=水分が体内に残っていると言う
              おそれだけではに該当しているのでしょう。(毎回の三ヶ月毎の胸部レントゲン撮影の結果にも関わらずです。)
               レントゲン量については、Drの患者さんへの説明は、医学的にも逸脱しているように思いますがいかがなものでしょ
              うか。・・筆者注)

                                 徐水が適切かどうかの判断で、徐水のし過ぎについては、患者でも、声枯れ、足が痙攣する等があれば、分か
              りますが、徐水不足の場合は、何ら患者には、兆候がありません。強いて言えば、徐水量が、普段より少ないか
              な、と同時にやや最高血圧が高くなる程度でしょうか。いったい、病院側は、レントゲンとレントゲンの間の2ヶ月間、
              何を以って判断され、徐水量の判定がされているのでしょうか。不思議な事ではありますが、結局、DWが三ヶ月間
              変わらない場合は、何もしていないと同じでありましょう。

               かって、私が、透析を受けていた病院では、B2-MG値の検査は、されていませんでした。血液検査も毎月1回。
              しかし、胸部レントゲンは、毎月1回。全身の骨密度は、年に1回。という検査でありました。それぞれ病院により、
              検査内容は、まちまち。主は、延命治療でありますから、これでなければならないという事はないようです。

               経営者の判断で、決定されているのでしょう。延命治療に特化されると、合併症を伴うのが早くなる傾向にある
              のでは。中には、その合併症は、患者にとって早いか遅いかの違いだけで、起こることは、必定と、そうした対策
              を取るための検査をしないという判断をされているのではないかとも推測いたしますが・・・。

               大部分の患者さんは、そうした情報を知ろうとさえされず、病院任せに透析を受けてみえるのではないでしょうか。
              確かに現時点では、合併症への根本的な解決策は、無いのが現状ではありますが・・。遅かれ早かれそうした合併
              症に患者は、苦しむ事になりましょう。
               十分な透析が行われれば、かなりの期間そうした合併症は起こらないとも聞く。それでも、透析時間を4時間とする
              場合が多く。透析血流を200ml/分と低い数値に留める透析が一般化している現状は、患者に早く死出の旅に行き
              なさいと言っているのと同じではないかと思うのですが、病院のDrは、どのように考えておられるのでありましょうか。
               透析医学会の慢性維持透析患者のガイドラインでも、透析中の血流量は、左程高くはない。300ml/分は、持って
              の外的所見かと。残念な事ではあります。

               一概にDr側にこうした問題(透析時間等)があるわけではありません。多分に患者サイドに原因があります。患者は、
             透析時間は短い方が良いと言う傾向があり、時間延長をDrが言おうものなら、即 転院というケースも無くはありません
             から。

               何らの合併症への対策もしないで、只 対処療法をして頂ければよい方で、何もしないで、只その日その日の透析が、
              何事も無く終われば良しとされているとすれば、患者にとって大変辛いことではあります。(かっては、受けたくても受け
              れない時代があり、透析機が不足して、透析患者数に対応出来ない時代が、それ程昔でない頃あったという。ことから
              考えれば、良い時代になったとも言えますが・・・。・・筆者注)
               最終的には、どうにもならなくなると上級の大病院(公立市民病院への転送)へと言うのが一般的な事となっているの
              でしょう。

               患者にとって、理想とする透析は、DWが適切にされ、長期にわたって透析合併症の発症を出来るだけ遅らせる十
              分な透析を行っていただける事に尽きるのではと・・。私自身は、考えています。
               しかし、透析病院も、公立であろうと私立病院であろうと、慈善事業ではない筈。やはり経営が持続できる営利が目
              的でありましょうから、Dr(院長)と言えども、経営者の側面が顔を覗かせ、患者の思惑とは違った側面も出現する場
              合がありましょうか。

               通常 透析患者は、昔10年、今は、20年以上生存出来るのではとも言われております。
               もし、私が、20年透析をして生存していたとすれば、総透析費用は、約9千6百万円程度掛かる事になりましょうか。
              透析患者一人に対してです。

               これほどの費用が掛かりますから、Drの中には、「個人の不摂生でおきる糖尿病からの透析患者には、それなり
              の自己負担をしてもらってもいいのでは・・・。」と考えてみえる方もあるとかお聞きしております。
               昔は、透析費用は、全額自己負担であったのではないかと推察いたします。とすれば、その当時は、透析をして
              生存している間には、約5000万円位は支払わなければならない事になり、金の切れ目が、命の切れ目。とさえ揶
              揄されていたという。

               腎臓を悪くすると、お金持ちの人しか透析が受けられないという時期があったという事は、事実でありました。
               今は、そうした負担を軽減する為、全額補助と言う形になっております。うれしい事ではありますが、心苦しい気持
              ちも併せて持っております。

               もし、今どこぞの政党が、これは掛かりすぎるから、それなりの費用の負担をという事を主張し、数の力で決めて
              しまったとすると、透析患者は、総費用の1割負担であれば、1ヶ月 約4万円の負担となりましょう。仮に働けない                
              年令(60歳以上として)であれば、それまでに蓄えがあれば、何とかなりましょうが、無貯金であれば、国民年金が、 
              仮に6万円とした時、透析代金で、既に半額以上の出費となり、残りで光熱費、食糧費等を賄わなければなりません。
              とても、文化的な最低限度の生活は成り立たないでしょう。実際、透析患者は、国のもう一つの救済保険制度が、あ
              り、現在は、患者の収入により、月 1万円に押さえられています。収入が多ければ、月 2万円までの支払いとなっ
              ていますから、国民年金の最高限度額 月 6万円の方の実質支払い額は、月 1万円でありましょうか。残り5万円
              での生活となる筈。苦しい事には、かわりはありませんでしょうが・・・。

               これが、2割負担であれば、約8万円となり、国民年金ですら、支出不能の状態となりましょうか。只でさえ、病気持
              ちでない方でも、国民年金だけでは生活できない状況が現実。大抵の方は、消費を惜しんで、せっせと将来の為に
              貯蓄をしてみえるのでしょう。

               そこそこの生活をするには、家賃込みの生活費は、年間 200〜250万円くらいでしょうか。年金生活者となってか
              ら、国民年金だけで生活しようと思えば、夫婦二人で、上記の金額ですれば、10年で2500万円。20年であれば、5
              000万円でしょうか。最低でも5000万円位は貯蓄していないと・・・。あくまで、最低限度の生活であり、病気をしない
              という前提でありますが・・・。この金額は、生活補助の方より弱冠一ヶ月分は、高いのか低いのか判りかねますが、お
              そらくは、同じ位かと推測いたします。

               考えれば、私は、大過なく職業人をまっとう出来たと言えましょうか。そうした職業人であった時、毎年30万円近い
              健康保険料を支払っていたかと。37年間支払い続けていましたので、30万円×37年間≒1千万円強支払ったとい
              う事になりましょう。今でも健康保険料を支払っておりますが、その額は、職業人の頃と比べれば、非常に安くなって
              おり、その額は、計算に入れませんでした。

               それでも、私が、20年間生存すれば、透析支払額は、かって支払った健康保険料の総額には、到底及びもしませ
              ん。それが、国民皆保険の趣旨であると言ってしまえば、そうなのでしょうが・・・・。心苦しく思うところでは、あります。 

               それ故、私は、かみさんに私が、動けなくなってベットに寝たきり状態で、何らかの形で社会に貢献出来ないと私が             
              判断した場合は、透析拒否をする事を明言しておりますし、かみさんも納得している事と思います。その仕方は、伝え
              てあります。

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