私の透析血液データの記録 No.2 ( 平成21年4月〜平成23年8月までの期間の透析)
1、よりよい透析を目指して
この頃、血液濾過透析をしている現在の透析病院である 小牧市の某医院 を知り早速メールにて問い合わせをし、見
学にも行きました。前の透析病院の院長先生もよりよい透析には、理解があり、快く送り出していただけました。
転院する時、何か不都合なことでもありましたかと患者会の世話役の方がわざわざ私に話しかけてこられました。が、私
の都合で転院するわけですので特にありませんが・・・。と詳しいことは言いませんでした。
小牧市の某医院は、透析専門病院ではなく、外科、内科を主とし、透析室では、オンラインHDFを全ての病床で実施され、
少人数(十数床)の透析室でした。そこの検査技師さんが、とても 透析 に詳しく分からないことは、聞けば解説していただ
けましたので、頼りになりました。転院は、H21/4/20
でした。因みに、この某医院のオンラインHDFは、前希釈タイプの血液
濾過透析であり、体外に出た血液に、10リットル/時ごとに透析液を入れ、体内に血液を戻す前に、ダイアライザー(人の腎
臓機能の代用器具)で、入れた10リットル/時 の透析液を取り去り、合わせて大きめ毒素をも除去させるようにする透析を
行い、より腎臓の機能に近づける透析かと。完璧な腎臓機能の透析は、夢のまた夢ではありましょう。
オンラインHDFの透析ははじめての経験でどのような血液検査データとなるのか楽しみでした。そのH21/4/20の結果
は、以下のようでした。
透析前 透析後
尿素窒素(mg/dl) 62 21
この時のKt/vは、1.26 で、透析条件
クレアチニン(〃) 11.5 4.65
は、前の病院と同じで、透析時間 4時間。
カリウム(mEq/l) 4.5 3.4 QB 250.QD 500前後.針 17Gであった。
カルシュム(mg/dl) 8.8 9.9
リン (〃) 4.9 2.9
B2-MG (μg/ml) 21.8
5.5 B2−MGの除去率は、 75%と大幅によくなりました。
i-PTH 210 ( オンラインHDFの透析の売りは、このB2−MG
の除去のよさかと思います。)
ヘモグロビン(g/dl) 10.9
ヘマトクリット 32.4
また、このオンラインHDFでの透析で、顕著なことは、血圧値の変化です。以前の血液透析病院での透析では、いかにし
ても、血圧が、最高圧で、130以下になったことがありませんでした。最低圧は、常時100以下になったこともありませんでし
たが、血液濾過透析をするようになって、一気に血圧が、適正値になったことです。最高値は、110前後、最低値は、何と
100を切るではありませんか。諸々の血液濾過透析の文献を読むと血圧値が適正値もしくは、低くなると記述されていまし
た。確かに、その通りでした。が、この最高血圧値が、100前後になると、困ったこともおきました。少し散歩をすると、首の
付け根の後ろが異様に痛むようになったことです。動かないでいると収まりました。この症状を病院では訴えましたが、適
切なアドバイスはありませんでした。こうした人体の不思議さについては、ドクターといえども全て理解はできないのでしょう。
経験値の知識や技に依存しているのでしょうか。
やむを得ず、日本にある血液濾過透析の病院の一、二ヶ所の院長先生宛、メールを送りましたが、一件のみ返信があり、
参考にさせていただきましたが、残念ながら、これも的を得たものにはなりませんでした。でも、メールを下さった院長先生
には、後日お礼のメールを送りました。
、しばらくすると(それでも数ヶ月はかかったかと)、ある日突然、収まりました。何が原因であったのかとうとう分からず仕舞
いで終わりましたが・・・。
ひょんな事から、収まった原因らしき事の答えらしきものに思い当たれました。
平成25(2013)年8月、某市民病院のかっての主治医の方から、この頃また同様な症状を呈していましたので、何気な
く症状を話しますと、Drから思いもかけない事を聞く事になりました。それは、「除水のし過ぎではないか。」という一言であり
ました。すぐ、翌日の透析からDWよりやや除水量を緩くする為400g残す事にしました。しばらくそうした透析をしていますと、
首の付け根の痛みは、どれだけ歩いても起こらなくなりました。Dr曰く、「DWより1%位緩くしても」という言い方ではありました。
その時の私のDWは、78.5Kgでしたから 1%とは、7〜800gでしょうか。その半分くらいを緩くしたわけです。
これ以後、Kt/v値は、あい変わらずで推移しておりましたので、検査技師さんももっと効率が上がらないか対策を立てて
下さり、いろいろ透析条件を変えて透析をし、データとのにらめっこが続きました。
以下、様々な対策の実施を列挙します。
@ 透析時間は、4時間とし、QB,針、ダイヤライザーは変更せず、QDのみ、600ml/分に限りなくあげる。
A 〃 、ダイヤライザーは変更せず、QD600ml/分に限りなくし、QBは変えず針17Gの時、16Gの場合
B 〃 、ダイヤライザーはそのまま、針16G、QD 600ml/分に限りなくあげ、QBを270、280、290、
300ml/分時の透析効率(Kt/v値)の変わり方。
結果、この病院の通常QD 500ml/分前後より、限りなく600ml/分に上げると透析効率が上がる。( @の検査結果より )
更に、同じQBでも、針のゲージが1ゲージ太くなると透析効率が上昇。(Gゲージが太くなれば、無理なく血液が取り出せる
ことが、理由でしょうか。 Aの検査結果より )
QBだけ上げても、弱冠のよさを示すも、さほど透析効率値に変化のないことが分かった。( Bの検査結果より )
その結果、このままでは透析効率(Kt/v)を、1.6にあげることは不可能であることが分かり、ドクターの許可が得られ、透
析時間を 5時間 にする透析がはじまりました。QBは、230から10ずつ上げ透析効率をみていきました。そして、1.6に
近い値である、QB(血液流量) 250ml/分に落ち着きました。( 私の身長は、180cm弱、体重 80Kg前後 やや大柄の
体格です。)前の透析専門病院で、仲良くなった方は、全身が痒いことを常時訴えてみえましたが、病院側の的を得た説明
は、無かったかのように話してみえました。その当時は、私には、どうして痒いのか分かりませんでしたが、今は、その理由
が、かなり分かります。
最近の透析条件は、QB
255、QD 限りなく600に近く、針 16G 5時間透析の連続。この間 Kt/v値は、最低で、1.4
台。最高は、1.7を出したこともあります。平均 1、5〜1.6台をコンスタントに出しています。この当院では、レントゲンでの
心胸比の検査は、3ヶ月に一回。適正体重の検討に少し不安を感じることがあります。が、透析前、後の血液検査は、毎月2
回(第1、3月曜日)実施していただけますので、Kt/v値は、常時分かります。また、B2−MG値の検査は、4ヶ月おきであり、
直近のB2−MG値の検査でもB2-MGの除去率も、78%台で除去でき、透析前B2-MG値も、18.0であり、まずまずかなと思
っています。(H23/6/20検査)
H23/8/8の血液検査データ
透析前 透析後
尿素窒素(mg/dl) 62 14
この時のKt/vは、1.66 で、透析時間は、5時間
クレアチニン(〃) 10.82 3.34
カリウム(mEq/l) 4.5 3.5 QB 255.QD 600に限りなく近い.針 16Gであった。
カルシュム(mg/dl) 9.0 9.8
リン (〃)
3.6 1.7 ちなみに、エスポは、現在週1回 750単位 オキサロール
尿酸 9.8 1.6
i-PTH 84 は、週3回 2.5マイクロを続けて投与。
ヘモグロビン(g/dl) 10.6 ダイヤライザーは、ニプロ PES-25SEαを使用しています。
ヘマトクリット 31.8
< 透析二人会 HPで知りえた 適正透析 血液検査データ 参考目安 >
・ クレアチニン値 18.0 (透析前)
・ 尿素窒素
80以下
( 〃 )
・ 尿酸値 8.0以下 ( 〃 )
・ 赤血球 300以上 ( 〃 )
・ ヘマト 25〜30 (透析前 30以上)
・ B2−MG値 20以下 (透析前)
この透析二人会の提唱する適正透析 血液検査データの参考目安をクリヤーできていれば、まず、食事については、
何らの制限を設けることなくおいしくいただけるでしょう。ただ、塩分には、気をつけないと、摂取水分が多くなる弊害が
起こることだけでしょうか。たんぱく質は、血液濾過透析では、多少流出がありますので、やや多めに取る必要がありそ
うです。 食事には、あまり神経質にならなくてもいいというのが、売りでしょうね。
先ほどの全身が痒いという弊害は、やはり、透析不足が原因でしょうか。Kt/v値を限りなく 1、6 に上げれば解決する
ように思いますが、透析の先達諸兄氏、いかがでしょうか。 痒みの原因は、冬場であれば、乾燥肌のなせる技。冬場以
外でもこの方は、訴えておられたように思います。
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