これから 透析 を始められる方へ 

       1、透析病院を決める

          私の場合は、シャント を作ってから1年間は透析をしませんでした。が、貧血もひどくなり、座っていても貧血症状が出
                    るようになり、主治医の勧めもあり市民病院にて昼間の午後から3時間の透析に入りました。 

          私の場合は、市民病院で透析の初期を過ごしました。ここは、重症の透析患者と、初めて透析をする患者のための病
         院であり、三ヶ月しか面倒をみてもらえません。三ヶ月以内に次の透析専門病院への転院を考えなければなりません。

          ところが、どこに透析専門病院があるのか分かりません。市民病院では、ここへどうぞとは指示してくれません。されて
         いる病院もあるかも知れませんが、大抵は、市民病院の透析待合室に一覧表として張り出されている場合が多いと思い
         ます。そして、転院時期が迫ってきますと、看護師長さん等が、決められましたか?と聞かれ、患者が答えると手続きには
         いります。

          大抵の透析患者さんは、自分の居住地区に一番近い透析専門病院か、足が悪い方だと、送迎をしてくれる病院を選ぶ
         のではないでしょうか。

          それはそれでいいのですが、少し考えてください。透析には、二種類の透析方法があります。一つは、大抵の透析専門
         病院が取り入れています、血液透析というやり方。もう一つは、数が少ないので探すのが難しい血液濾過透析というやり
         方の透析病院です。または、この二つのやり方を備えた透析病院もありますが、基本は血液透析が主になります。

                      私も、まだ、透析のいろはについて何も知らない頃、最初の透析専門病院のベテランでしょう看護師さんに、この病院
         の透析は、血液透析形式か、血液濾過透析形式かを聞いたことがありました。即座に、「 血液濾過透析でしょう。」と教
         えられました。少し離れた所でこの会話を聞いて見えた年配ですが、美人の検査技師さん(いろいろな資格をお持ちのよ
         うで、透析病院内では一目置かれる存在ではありました。)が、答えられた看護師さんを呼び止め、嗜(たしな)めてみえ
         るようでした。「 正確に言わないとだめでしょう。この病院の透析は、血液透析だと。」 後で訂正にみえましたが・・・。
          かような感じの看護師さんばかりとは、思いませんが・・・。技術を、そこそこマスターすれば、透析病院で働くことが、可
         能な職業なのでしょうか?

          どこがどう違うのか、血液透析(HD)は、ダイアライザー(人工腎臓のかわり)の中に、たくさんの半透膜の管が束のよう
         に入っていてその中を血液と透析液の二つが流れます。そして、膜には、血液中の毒素の通る微細な穴があいていて、そ
         の穴を介して毒素が透析液に流れ込み血液を綺麗にしていくのです。と同時に、体内にある余分な水分をも透析液に流し
         込み体内の水分バランスを整えています。ですが、穴の大きさが大きいと、毒素だけでなく、体に必要な蛋白質であるアル
         ブミンをも体外に流失させてしまう恐れがありますから、ぎりぎりの大きさの穴にしてあるわけです。体内の水分を多く出せ
         ばその水分の流出に引っ張られるように大き目の毒素も出て行く可能性がありますが、無ければ透析効率も落ちるという
         わけです。

          それに反して、血液濾過透析(HDF)は、ダイライザーも透析液も使いますから同じなのですが、透析液を直接血液中に
         入れて、その入れた同等の水分量をダイアライザーで抜き去る作業をするのです。(この方法には、二種類あり、前希釈型
         と後希釈型で、透析液が直接自身の体の中へ入るのが後希釈型、体外に出た血液のみに入れるのが前希釈型でありま
         す。)除水量が少なくても大きめの毒素を効率的に抜き去ることが可能になります。また、透析液を血液中に直接入れます
         ので、不純物のない綺麗な水であることが大切になります。
          
          余談になりますが、ICチップを作るときには、不純物を完全に除去した純水を使って作ります。アマゾン製の純水製造装
         置を使うわけです。この純水製造装置が、バカ高い代物ですので、ICチップには使いますが、人間さん用の綺麗な水は、
         それを使っていません。某市民病院の看護師さんに、そのことを話すと、人間は、少々の不純物があっても生きていけると
         、言い換えれば、人間は、うまく対応できるようになっているということを言いたかったようですが、それは、腎臓が正常に
         働いてこそ言えることでは・・・・・。。腎臓が正常に働かない体の者は、どうすれば・・・・・。ICチップ以下なのでしょうか、透
         析患者は・・・。

          血液濾過透析をしています病院では、それ故、水道水を更に綺麗にする装置を使い不純物を取り除いていますが、不純
         物は、ゼロではありません。エンドトキシンが弱冠含まれます。( 今いる血液濾過透析をしている病院でのエンドトキシンの
         透析液に含まれている量は、0.001EU/ml以下であり、極めて微量です。)それでも、透析液回路の途中にエンドトキシン
         フィルターを入れ、除去していますが、この除去フィルターは、義務付けられていませんので、病院によっては、メンテナンス
         の点で・・・。ということです。

          血液透析では、血液中に直接透析液を入れませんので、エンドトキシンは、問題ないかもしれませんが、それでもダイアラ
         イザー内で血液と透析液は触れ合うものですから、やはり、不純物の除去はとても大切なことと捕らえられるようにはなって
         きているのが現状です。

          対して、血液濾過透析では、不純物の除去には、神経を使っています。費用も普通の透析より不純物の濾過にお金がか
         かってきます。以前は、この血液濾過透析は、透析アミロイドーシス対策、もしくは心機能低下患者にしか医療保険が使え
         ませんでした。それ以外の患者には、この透析を用いても病院側の医療費の持ち出しという事態になっていたようです。

          現在は、どのような透析患者さんでも、この血液濾過透析を受けることが出来、医療保険も適用されているやに聞きます
         が、透析の重症患者さんが受けた時に支払われる医療保険分まで出されているとは思いません。結局は、病院側の医療
         費の持ち出し分が出ているものと思われます。でも、以前に比べれば一寸は進歩しているといえるのでしょうか。        
          しかし、この透析を用いる透析専門病院は、少なくなっている(殆ど無いと言ってよいくらい)のが現状です。

                       それは、血液濾過透析に用いる透析機械(コンソール)が、血液透析に用いる透析機械(コンソール)より約倍位のお値段
         がするようで、一台あたり千万まではいかないようですが、それに近いとか。設備費用からして割高になっていること、また、血
         液濾過透析に掛かる費用が一般的な血液透析にかかる費用より数段かかっていますが、現在の医療保険では、十分その
         実態に即したものとはなっていないと思えるからです。
          これらの事が、血液濾過透析をする透析病院が多くない理由でありましょう。

          どのような透析を自分の体に用いるのかを考えることがこれからの予後の生活にとっては大切になってきます。

          私の住んでいる所では、小牧市の江崎外科内科の透析が、全てのベットで、血液濾過透析(オンラインHDF)を行ってい
         ます。ほんの僅かの台数でオンラインHDF(血液濾過透析)をされているのが、小牧市の小木南クリニック病院くらいでし
         ょうか。春日井市には、私の知りえる限りではないかと思います。

          透析患者の大部分の方は、透析時間が短いほうがいいと考えられるようです。3,4,5時間とあり、週3回の一日おきが原
         則です。

          透析には、透析効率(Kt/v)の指標もあります。このKt/vの基準は、1.6を境に数値が高いほど予後の生活にいいとはい
         われています。
          この値を上げるには、透析時間は長ければ長いほどよく、また、透析中のコンソール(透析機械)を流れる血液流量が関わ
         ってきます。透析患者本人の心臓負担の許容範囲内であれば、大きい流量の方が数値はよくなりますし、大抵の方は、150
         〜200ml/分位でしょうか。私は、最高300ml/分まで行きましたが、透析時間が4時間でしたし、体の容器が大きい方でした
         ので、透析効率は、1.35しか上がりませんでした。使用する針の太さもからみます。太ければ、それだけ血液を多く体から
         抜き取れます。まだあります、コンソールに流れる透析液流量も関係します。一般的に透析病院では、400ml/分が限度で
         しょうか。
          私の場合は、QD(透析液流量)は、限りなく600ml/分に近い値で透析して頂けています。また、血液流量は、255ml/分、
         透析時間も、5時間にしていただけています。お陰で、私の透析効率(Kt/v)は、最近では、1.5〜1.7の間をいったりきたり
         の状態になっています。

          体の方も、透析に入る数年前のいたって普通に動ける状態になっています。畑仕事もしますし、犬の散歩も今では、1時間
         位は、苦にはなりません。一泊二日の旅行にも楽に行けるようになりました。

          透析患者さんの大部分の方は、水分補給で苦労してみえますが、私の場合は、腎臓が悪化してもまだ自力で尿を出すこと
         が出来ますし、リンの増加、カリウムの数値の増加に苦しまないでいます。
         
          リンの増加に対処する方法は、初期の頃は、炭カル(炭酸カルシュウムの略)の錠剤を食事後飲んでいましたが、カルシュ
         ウムの増大にもつながります。夢のリン吸着薬の登場と同時に、直ちにフォスブロック錠に切り替えました。今は、さらにすぐ
         れた夢のまた夢リン吸着薬の登場を知り、リンの増加に 悩んでいたので、直ぐにチュアブル錠に切り替えました。今は、リン
         の値も安定しています。このリンの増加は、インタクトPTHにも影響しますし、リンとカルシュームの値の積が55を超えてくると、
         血管の石灰化や骨の石灰化にも関わってくる重要な値なのです。

          カリウムの増加は、死に直結します。透析前血液検査のカリウムの値が 6 を越えるとグレーゾーン。8以上になれば、いつ
         何が起こっても不思議ではないとも聞きます。要するに心不全が起こる指標となるのだそうです。
          カリウムは、特に野菜、果物に多く含まれていますから、生野菜の摂取は、要注意。出来るだけ、煮てカリウムを出してしまい
         煮汁も棄ててしまうくらいの気を使うことが必要とか。食事制限の大切さを知り、日々節制した生活が望ましいわけです。

          透析では、このリンとかカリウムをも除去してくれますが、常に透析前でも値は、適正値の方が望ましいわけです。

          腎臓が正常に働いていれば、日夜休み無く、これらの危険物質を体外に排出してくれているわけで、何を食べようが、何を
         飲もうが心置きなく出来ていたわけです。また、血液を造る造血ホルモンをも出していましたが、腎臓が壊れるとそれが、出
         来ませんので、貧血状態になってしまうわけです。やむなく、造血ホルモン剤を投与していただくしかありません。投与ホルモ
         ンは、略称エスポと呼ばれることが多いようです。

         

         

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