菜園規模と作っている野菜
1.はじめに
私の農業体験は、まだ職業人であった頃からです。庭先に菜園(縦2m強・横3m強位の規模 約2坪弱)を
造ってからでした。
現在の持ち家を購入してから、直ぐに新規の業者さんに、畑の枠をコンクリートブロックで囲ってもらい、畑
土は、愛知県江南地域から運んでもらい造成いたしました。その当時の料金は、約3万円弱。大変な作業の
割りに格安で仕上げて頂けました。
かれこれ30有余年が経過したかと。農業の「の」の字も知らない状態ではじめました。農具もなく、カーマ・
ホームセンターへ出向き、備中くわ・普通の鍬・スコップ・半月形の鍬と少しずつ購入し、揃えていきました。
肥料も、周りが住宅地でありますから、臭いが少ない乾燥鶏糞やら化学肥料(園芸化成)・菜種油粕等々
安い大売出しの時に農協やらホームセンター等で購入してきましたが、平成20年以降は、化学肥料は、使
用せず、鶏糞・菜種油粕・落ち葉・家の台所から出る生ゴミを醗酵させた有機肥料のみとしております。
作り始めた時より、絶対農薬は、使用しないと決めておりました。
このような出費にも拘らず、何故手間のかかる野菜作りに手を出したのか。答えは簡単。私が幼少の頃に
食した夏野菜(きゅうり・トマト)が、スーパーで買ってきた物とは、違う事を強く感じたからに他なりませんし、
自分が作った野菜であれば、どのような方法で作ったかは分かるからであります。
少々手間がかかろうと、あの幼少時の夏野菜が食したいという強い願望があったからと安全な野菜であると
いう自信。
手作りした方が、経費もかかりますが、それでも、あの頃のうまい夏野菜が食したいと思ったからでした。
菜っ葉類は、確かに虫食いの跡があり、それがかえって安全であると言う事で食しました。
2.野菜つくり1年目の事
・ 夏野菜について
5月のゴールデンウイークの始め頃、きゅうりとトマトの苗をホームセンターで購入。あの頃は、きゅうり 8
本・トマト8本でありました。ホームセンターでは、作り方を聞かず、独学で本屋さんから野菜つくりの本を購入
し、熟読いたしました。
きゅうりには、寒さ対策として、うえからすっぽり被せる油紙状の物がいいとの事で、それも購入。しかし、最
初のきゅうり苗は、全滅。俄か農業のまずさからでしょう。トマトは、アンデスの山奥が原産らしく、寒さに強い
ようで、全て順調に生育しました。
しかたがないので、近くの農業をされている人に、恥を忍んでお聞きしますと、きゅうりは、苗を植える時、強く
土を押さえないで、ふんわりとかぶせ、水をやりながら土を締めるといいとお聞きし、囲いは、それ程大げさに
しなくても、風が防げればいいと教えて頂き、使った肥料の袋を、二つに切って、筒型の状態で、四方に細い枝
を刺して、袋が風で、動かないようにしておくくらいで、費用を掛けないで済ませばいいと。
二度目のきゅうり苗は、その教えに従いましたところ、順調に生育いたしました。所が、三人家族に、きゅうり
苗 8本は、多すぎました。5月中頃に植えましたが、既に6月中頃には、花が咲き、しばらくは、丁度良い位の
量でありましたが、7月頃からは、毎日6・7本が取れ、食べきれなくなり、最後は、大きく成りすぎて、畑の肥料
として、廃棄処分になったり、近所の方にわけたりして、1年が終わりました。
確かに、真夏の日差しを受けたきゅうりは、幼少時のきゅうりの味がしました。トマトも、幼少時の味でありまし
たが、1・2段目までのトマトは、形が良く、これならと思う出来栄えでした。しかし、それ以降の段は、トマトのお
尻が割れてしまう状態で収穫。こうした状況が、数年続きました。味は変わりませんでしたが・・・。
なすも併せて植えましたが、よく生育いたしましたが、実が付かず、ほとんど収穫なしでした。この時は、何故
と思い考えましたが、思いつきませんでした。それからは、なすのみ苗を購入せず、諦めました。
・秋・冬野菜について
畑の耕し、肥料いれ等を済ませ、畝の表面に、石灰を薄く撒き、酸性の土壌を中性状態にし、1週間強あけて
から、ほうれんそう・聖護院大根・白菜・キャベツの種を蒔き、発芽に成功いたしました。たまねぎは、苗を購入し
育てました。
当然農薬は、使いませんから、白菜・キャベツは、モンシロチョウの幼虫の餌食になり、大部分は、全滅。仕方
なく、全て抜き取り、地中深く埋めてしまいました。聞けば、モンシロチョウ対策には、ネットを被せる事が大事とか。
網の目の細かいネットを購入しないといけないようで、こうした品種の育成は断念致しました。
対策なしでも育成出来るほうれん草・アブラナ・聖護院大根・たまねぎが、我が家の主力育成品種となりました。
こうした失敗を乗り越え、三十有余年、続けております。
3.トマトの育成
トマトは、大玉の出来る桃太郎の亜種でありましょうか。ホーム桃太郎という名称で売られている苗で、程よく甘く
酸味もあり、作りやすい。近年は、近くの農協が経営する店で、苗を購入するようにしています。たまに、糖度の高
い中玉のトマトも作りましたが、やはり、大玉のホーム桃太郎が、我が家には向いているようです。
ミニトマトは、苗を一つ購入するだけで、ひと夏しっかりなり収穫できました。
苗の成長に合わせ、わき芽を摘む作業が、必要で、中央の芽のみしっかり伸ばしていく事が肝要。わき芽は、土
に刺しておくとちゃんと成長し、それなりの成果があります。一つの苗のトマトは、実を付ける花が、素人では、5段
目までが、結実し、食せれば、可とか。うまい人は、6・7段まで食せる実を付ける事が出来るとか。
作り始めて数年後、農協で、素人対象に栽培方法講習会が開かれている事を知り、申し込んで受けました。農協
の指導員の方が、栽培方法の書かれた紙を配布され、話されました。私は、2段目より上が、何故尻割れするのか
知りたくて、講習会後の質問受付で、どうしてでしょうか。と問いますと、「二つ考えられますと、一つは、水分過多か。
あるいは、石灰不足であるかも。」と。
そして、農家の方は、トマトの上に、雨よけテントを張っていると教えられた。確か近くのこじんまりとしたトマト畑に
は、枝を支える竹の上に、壊れかけた雨傘が、取り付けてある場面に出くわした事があり、あれは、そういう事であ
ったのかと知りました。
石灰は、苗を移植する前に、していましたが、トマト苗を植える予定の畝のみ、やや多量に施すようにしました。
しかし、丁度梅雨時に、結実する為、雨対策が、きちんと出来なければ結局 トマトの尻割れは、出来るようです。
市販されているトマトは、尻割れが出来ている物が、まったくない。おそらくビニールハウスでの栽培でありましょう。
水分管理が適切に行われているからでしょう。
夏の日差しをしっかり受けた路地物で、完熟しないと、なかなかおいしいトマトには、出会えない。市販品は、完熟
途中の物を収穫し、店に展示販売される。その頃完熟するように計画的に収穫されているのでしょう。だから、幼少
時の家で作っていたトマトの味がしなかったのではないでしょうか。
そうした本物の味を知らないで、スーパーのトマトの味しか御存知無い方は、その味が、トマトの味であると思い込
んでみえるのではないかと推察致しますが、どうでしょうか。
4.きゅうりの育成
我が家のきゅうりの品種は、現在は、夏すずみ。以前は、北進という品種を育てていました。私が幼少期に食して
いたきゅうりは、四葉(スーヨー)かと。今は、ボケがきている母に、教えられました。
北進は、確かに味はいいようですが、収穫量が今一、夏すずみは、味も、収穫量も良く、うどんこ病にも強いように
思いますが、私だけの印象かもしれません。
スーパーで売られているきゅうりには、トゲがない。きっときゅうりにはトゲがないと思っておられる方が多いのでは。
参考までに、「採れたばかりのキュウリには薔薇のとげのようなイボがあり、素手で触ると痛い。このイボは鮮度が
失われるにつれて硬さを失っていくため、このことからキュウリの鮮度を見分けるための目安にもなる。」という事を
知って欲しい。スーパーでは、消費者の方が、店で怪我をされないような配慮をしてトゲをわざわざ無くしておられる
のかも知れませんが・・・。善意に解釈すればであります。
我が家は、きゅうりを伸ばす棚は、貰ってきた竹で、仕組んで、きゅうりネットを購入し、それを掛けて伸ばしていま
す。夏は、我が家の家の目隠しともなり重宝しています。お陰で、簾(すだれ)を使わないでも家の窓を半開しても覗
かれる心配がありません。
新鮮な朝取りきゅうりは、甘さがあります。切り取った直後には、つるからは、少し粘り気のある水分が滴り落ちます。
品種にもよるのでしょうが、冷やしてステイク状にして、醤油にマヨネーズをたっぷり入れ、良くかき混ぜてから、それを
きゅうりに付けて食することが、我が家の定番。しかも、きゅうりの種が、未成熟の状態で、程よい細かさでたっぷりあ
るきゅうりが、最の高かと。夏の盛り頃には、三杯酢のきゅうりの酢もみがおいしく頂けます。
たくさん収穫できた時は、乱切りにして、塩をまぶし、やや強めに押し付けたきゅうりの漬物の一夜漬けが、またいい。
余りに多く収穫出来たときは、お隣さんへもお裾分け。喜ばれているようです。畑を耕し、やや肥料を入れた時には、
幾分臭いがしますので、そのお詫びも兼ねてしています。
5.肥料について
当然、市販されている乾燥鶏糞。化成肥料。油粕も使いますが、畑の隅に家から出る残飯・野菜くず・卵の殻・近く
の公園の落ち葉等を入れ、醗酵させる小牧市で無料に配布されるプラスチック容器が2ヶ頂け、それを活用しており
ます。臭いは、まったくと言って良いほどしません。
市にすれば、燃えるゴミを減少させる対策の一環かと。お陰で我が家からは、あのどろどろした台所のゴミは、いっ
さい出しておりません。どこぞの一人暮らしの方は、台所の水落下に電動シュレッターを備えられ、完全に台所のゴミ
を、下水と一緒に流してみえるとかお聞きしましたが、そのような装置は、我が家では必要が無い状態です。
この台所のゴミも、我が家の畑の天然肥料として活用しております。もう30有余年になりましょうか。最近では、化学
肥料の使用は、しないようにしています。
6.平成26年4月現在の菜園について
現在は、南側半分は、冬野菜(かぶ・聖護院大根・ほうれん草・アブラナ)の収穫が、終わり、コンポストで作られた
台所から出たゴミの醗酵した天然肥料と購入した肥料等々を備中鍬を使わず、スコップを用いて、畝ごとに深い穴状
にして、順次 落ち葉と天然肥料・掘り起こした土を被せ、再度購入した肥料・天然肥料を上から入れ、再度掘り出し
た土を被せる。こうしてサンドイッチ状に何層もの層を作り、畝にしていき、残った残土に購入してきた肥料(菜種油粕)
を混ぜ合わせ畝としました。そして、石灰(購入した菓子等に入れられている乾燥剤 石灰の入った小袋を破り、石灰
を集めた物)を移植ごてで、畝の表面に散布。
3畝分ができています。ここは、今年の夏野菜の畝であり、きゅうり・トマトの場所とする予定です。
残りの半分は、まだソラマメが、1畝分生育中であり、背丈は、1m強程であり、既に花が咲いております。このソラマ
メは、借りた畑にて栽培したソラマメの完熟した種まめにて直接直播して育てたものであります。
そして、1畝の3分の1程には、絹さや(エンドウ豆)の種豆を直播したのですが、棚も50cm位のを設置し、今は背丈
1m強 今を盛りと花を咲かせています。やっと4月10日(木)10ヶ位未成熟絹さやが収穫出来るまでになっております。
残りの1畝の3分の2には、長ネギ・わけぎが食べ頃になっており、食しています。
北側と南側の中央部には、まだ、アブラナが一部残され、今年の種用として花を咲かせております。とり除いたアブラ
ナの跡には、サニーレタスの苗を3ヶ購入してきて移植しており、既に生育中であります。
職を辞してからは、時間もあり、近くの地主さんの畑をお借りし、地代は無料。守りをして貰えばそれで、OKとの事。
次回は、この借りた畑での実践体験談をアップいたす予定です。