混合診療拡大に思う
1.はじめに
他国で認められている新薬は、日本では、厚労省の認可が下りない場合、使用できない状況が、続いて
いたようです。
平成26年6月6日(金) 朝日新聞紙上に、”混合診療拡大 16年度にも”と一面に出ていた。難病の患
者さんや家族及び対応病院にとっては、朗報でありましょう。
しかしであります。既に混合診療は、深く静かに進行している現実をご存知でしょうか。
平成26年5月 私は、白内障の手術を大曽根の某眼科病院で受けました。その時、Drからこのような事
を聞きました。「白内障の手術は、折りたたみ式のレンズを入れますが、普通は、遠視・近視のどちらかに
焦点を合わせます。貴方は、強度近視ですから、やや近視を残す方に焦点を合わせますか。それとも遠方
に焦点を合わせますか。」と。私は、即座に「近い方に焦点を合わせてください。」と答えました。
その後、Drから、「今のは、一般的(保険証の使える方法)ですが、目に入れるレンズには、遠近両方に対
応する方法もあります。そちらは、保険がつかえません。」と。自由診療でありましょう。片眼 二十数万円程
度かかるようでした。当然、全額自己負担となります。勿論 私は、お金の少ない方でしたのでありますが・・・。
命に関わらない事柄での自由診療であれば、それは、患者さんの希望であればいいのかもしれない。裕福
な方にしか出来ない事柄でありましょうから。そんな事を白内障の手術を決意した時に思いました。
2.更なる混合診療拡大に思う
この度の混合診療の更なる拡大は、メリットと同時にデメリット面にももっと注意を払わないといけないのでは、
と思い筆を執りました。
それは、診療が、アメリカナイズされて行くのではないかという不安であります。患者からの希望に、病院側が、
乗っかりちゃっかり儲けようという思惑が在りはしないかという事。杞憂であればいいのですが・・・。
厚労省の認可に新薬は、時間が掛かりすぎるという日本の特殊事情があることも一因ではありますし、それに
ちゃっかり乗っかろうという病院側の思惑もないとは言えません。病院にしても慈善事業ではない筈でありましょ
うから。
それを難病の患者さんの要望として利用しようとしているのではないかと・・・。考えすぎでありましょうか。
そのような事をつい思っているのは、私だけでありましょうか。
できれば、自由診療は、命に関わらない・難病以外等の事柄だけに絞ってして欲しいものであります。要は、厚
労省だけでは、判断出来ないような事柄は、別の機関で審査するという機構が出来ることが望ましいのでは・・・。
裁判所と同じような組織として・・・。そうであれば、申請認可に特化でき、すばやい対応もできましょうから。
命に関わる・難病・治らない病気で長期の療養を要するような事柄については、基本的に混合診療は、不可と
する基本線を出しての混合診療の拡大であって欲しいと思います。(基本 皆保険制度の維持であります。)
併せまして、許認可の権限を厚労省のみにするから起こりうる事ではないでしょうか。アメリカのシステムのよう
に、すばやく認可出来る専属の機関の設置が、必要不可欠なのでは・・・。何かあった時の責任の所在は、当然
考慮してですが・・・。