血管内に起こる血栓への恐怖とその対策

             1.はじめに
                透析中の身であります。長い透析期間を過ごしていくといろいろな事柄が起こってきます。
                血栓もそのうちの一つではあります。心筋梗塞、脳梗塞等は、血栓の成せる最たる危険
               な症状でありましょう。

                しかし、こうした血管内に起こる血栓も、いわば、人体への防御機能でもあります。血管が
               傷ついた時、血管内から血液が漏れ出さないように傷口に血栓(血の塊)を作り、フィブリゲ
               ンで覆い、流出を止めます。その後、血管が修復されると、反凝固作用のブラスミンが働き、
               血管内に出来た血栓を溶かし、元の状態に戻します。人体には、こうした相反する働きが、
               あるという。

                ところが、現代人は、ストレス等にて、弱冠反凝固作用が、弱くなっているとも聞く。年齢が
               高くなると、やはり同様な状況にもなるというようであります。ましてや、透析患者に於いては、
               ただでさえ、人体機能の一部を喪失し、完全なる血液濾過機能が失われている状況では、血
               液内の正常な凝固、反凝固作用は、うまく行われている保障があるとはいい難いのではない
               でしょうか。

                透析患者の死因の第1位は、心不全であります。いわゆる急性心不全であり、心筋梗塞
               であるという。事ほどかように血栓は、透析患者にとっては、危険極まりない事柄ではありま
               す。

             2.血栓対策
                血栓の兆候とか、対策は、まったくないのでありましょうか。いいえ、あるようです。そうした
               情報は、下記のHPに載っております。転記不可とは記述されておりましたが、メールを送り、
               引用の許しを得ました。詳しいことは、下記HPを参照ください。
                ( http://www.youtsutaisaku.com/aru5.html  です。)

                以下、HPからの引用をまじえて、概略を述べたいと思います。私も、このHPをみて、動脈流の
               血栓については、今の所心配はしておりませんが、静脈流での血栓については、少し心配な事
               柄が出てきました。

                「急に首が痛くなったら要注意
                  頸動脈とは首の左右に位置する動脈で心臓から出た血液を脳に送る血管。特に動脈硬化
                 を起こしやすい部分です。首を押して痛いときは動脈硬化の可能性があります。動脈硬化が
                 起きると血管が拡張しないため、血圧が上昇します。」 と書かれておりました。私も、犬を連
               れての散歩中、ちょくちょく首が痛くなる時があります。しゃがんで休んでいますと、収まります。が、
               私の場合は、血圧は、低く、最高血圧が、100を大幅に下回る時に起こっております。
                後日、この症状について、かっての主治医でありましたDrから、貴重な提言を頂きました。

                話は変わりますが、また、こうした動脈瘤の予備軍になりやすい方は、
                「 ●甘いモノを毎日でも食べてしまう。糖分の摂り過ぎは血液中の中性脂肪を増やします。
                   ●お酒を飲んだ後は必ずシメを欠かさない。アルコールだけがエネルギーとして使われるため
                                           食べたものはどんどん血液に蓄積されます。
                  ●起き抜けに必ずタバコを吸う。血圧が上昇する起床時の喫煙は血管を収縮させ高血圧を起
                                     こしやすい。 」以上の事ををする方であるという。
                確かに、私も甘い物に目がない。お酒は飲まない。4年前までは、ヘビースモーカーであり、以前
               流行りましたスモーキングブギを地でいっておりました。ある日、ぷっつりと止めてから4年になりまし
               ょうか。少しは、予備軍入りをしているのかも。太ってはいませんが、やや腹に皮下脂肪がたまって
               いる体形かと。

                むしろ、心配なのは、静脈瘤であります。その可能性というか、予備軍入りしそうなのは、
                「  ● 気付くと脚を組んだり、立てひざをしている
                  ●デスクワークや立ち仕事でほとんど歩かない
                  ●きつい下着やズボンをはいている
                  ●以前より脚の血管が目立つようになった(静脈りゅう) 」という。              

                それは、私には、寝る時に、いつからかは記憶がないのですが、足を組んで寝る習慣があり、
               やや、左足の内側のひざ下にうっ血がみられることです。静脈瘤ではないかと考えるからです。

                透析をしていますので、除水量が多いと、血圧の低下が起こり、それに伴って血液は、最大限
               必要な脳とか胃(消化活動)に重点的に送られ、不必要な部位には、血液はあまり送らないよう
               になり、血圧を正常化するようです。
                そうした血圧低下を引き起こす除水のし過ぎ状況は、透析を長く続けていると、よく起こってしま
               います。過去の透析病院では、そうした事にあまり注意を払わないばかりか、あまりにひどい除水
               のため、耳鳴り、よく車で峠を登り、下ると耳が、つーんとしますが、鼻をおさえ口を閉じて空気を
               耳に圧をかけて直した経験がある筈ですが、それと同じ症状がいつまでも続くのです。所が、そう
               したことをしても直らないのです。

                思い余って、耳鼻科に行きますと、耳鼻科のDrは、「透析患者さんですね。脱水のし過ぎです。」
               処置しましょうと言って処置をし、合わせまして生まれて始めて耳鼻科にかかりましたので、今まで
               の耳垢を取っておきましょうと言って、両方の耳から、筒状になった耳垢を見事に取り出されました
               事は、記憶に新しい。

                そして、直りました。どうも以前に通院していた透析病院では、こうした事柄に鈍感でないかという
               感じが致しました。私だけが持ちえた感じなのかも知れませんが・・・・。

                こうしてみてきますと、たかが除水のし過ぎとたかをくくっていますと、とんでもない事であります。や
               はり、DW(ドライウエイト・・透析患者には透析する時の個々人の基本体重)は、適切に設定されてい
               てこそ、適正な除水量となっていくのでしょう。ちなみに、除水のし過ぎは、ひどい状況でなければ、透
               析後、声枯れ、足の痙攣等々として出てきます。もっとひどい状況では、失神状態となる事も以前の
               透析専門病院では、日常茶飯事で起こっておりました。それは、患者本人の飲んだ水の量の多さも
               一因であったかも知れませんが・・・。大抵の透析患者さんは、尿が出ない方が多いのですから。腎
               機能喪失のせいではある事は申すに及ばない事柄ではありましょう。

                                   参考までに、平成25年8月 某市民病院の内科Drから次のようなアドバイスを頂きました。それは、
               以前最高血圧が、100前後くらいの時、散歩をすると途中から首周りの肩近辺が痛くなる症状を呈し
               た事、今現在もそのような症状がでてきましたので、Drに話しました。Dr曰く「もしかすると除水のし過
               ぎでは・・と。DWの1%分(私の場合は、800gかと。)を緩めにすれば、治まるのではと・・・。」そのDr
               は、こうした除水のし過ぎでも起こりえる患者さんを診て見えたのかも知れません。
                そのアドバイスを受け、早速毎透析毎にDWより400g緩めに行ってみました。すると、血圧も、120
               〜130台で推移し、首筋周りの痛みも散歩中出なくなりました事を付け加えさえて頂きます。

                                   一般的に、静脈瘤は、心臓から遠い下肢部分に起こりやすいようで、血流が滞ると起こりやすい。動
               脈であれば、心臓の力で、血は動きますが、静脈では、筋力等の働きで血が動いているとか。逆流防止
               の弁まで静脈は、供えているようです。( 最近 テレビで、足の静脈流を活発にするいい運動の特集を
               しており、つま先立ちが効果的との事。体を横たえた時、腰掛に座っている時、足先を動かすようにして
               います。また、朝のNHKラジオ体操の第1・2を毎日行うようにし、健康に留意するようになりました。)

                                  確実に静脈瘤が起こる場合は、逆流防止弁の破損、もしくは、皮膚近くの毛細血管と大静脈管とを結ぶ
               ジョイント部分の血管が正常に働かなくなった時でしょうか。明らかに外科的処置をしないと危険でありま
               しょう。( こうした検査を某市民病院にて受診、静脈瘤が多く見られる左足より、右足の静脈の方が、弁
               に何らかの支障があるという診断がでておりますが、経過観察という事になっております。

                後は、下肢筋力の低下による下肢静脈内での血流の停滞が原因で、間違った防御作用(血液凝固作
               用)が働き血栓が血管内に出来てしまうことでしょうか。悪くすると肺まで血栓が移動し、肺閉塞で最悪、
               死に至る事も起こりえるとも聞く。何とも恐ろしい話ではありませんか。

                透析患者は、日常あまり動かない。かなり意識して歩いたりしない限り、じっとしていた方が体は楽であ
               ります。気候のいい時は、それなりに動こうという気になりますが、暑い真夏に動く気は起こりません。

                当然足の筋力は、動かなければ落ちる事は自明の理。車に乗り出すと、ちょっとの近場へも歩かなくなり
               ます。私も、最近通院に車を使うようになって、めっきり歩く時間は減少。春と秋、そして初冬位は、公共交
               通機関を使って通院し、少しでも歩く機会を増やす事が必要ではないかと考え直しをしている所です。

                こうした事情で、おそらく静脈瘤の初期症状が発生してきたのでしょう。それに追い討ちをかけるのが、透
               析中の血圧低下でしょうか。ただでさえ下肢静脈の血流が滞り勝ちな上に、透析中に下肢部分の血液の減
               少も、血の動きが悪くなるのを助長しないかと心配です。

                今の透析病院は、かなり細かな事にも対応していただけるので助かってはいますが・・。






                          3.下肢静脈瘤について
               平成24年8月15日(水)この日は、私の透析日であり、透析病院に車を使って行きました。少し下肢静脈瘤
              が、気になっていましたので、Drに見ていただきました。対処するような症状ではないと言われ、安心はいたし
              ましたが、その折、静脈瘤は、遺伝すると言われびっくり。私の場合も遺伝によるものなのかと気になりました
              ので、今度は、じっくりHPで、調べてみました。

               先天性の静脈瘤は、遺伝しないという記述もあり、静脈瘤のなかには、確かに、先天的なものもあるようです。
              そのHPに記載されていた文章を引用すれば、「先天的な下肢静脈瘤の場合は下肢の外側を走る静脈から発生
              します。後天的な静脈瘤が下肢の内側を走る大伏在静脈や下腿の後面 を走る小伏在静脈から生じますので、
              まったく別の静脈が原因ということです。」と、まあ書かれておりました。
                ( http://www.mniimi.com/kekkan/index.html#Q1 参照。新見正則・白杉望両先生のHPでしょう。お二人とも
              静脈に詳しいDrであらせられると推察いたしました。)

               私が少し気になった部分は、下肢の膝から下の部分の内股の外側に出来ておりました。とすれば、先天的な症
              状でありましょうか。さほど、ひどい状態ではないとの事でありますから、しばらく様子見でいこうと思っております。

                                 後日、現 透析病院の栄養指導員さんから、血液サラサラ食品についての講義を透析中に受けました。
               「 それによると、一般的には、納豆( 藁の中に茹でた大豆を入れて保存しておくと出来る製品 )、海苔( でき
              れば モズク カリュウームが少ないから。 )とか。ビタミンC、良質のたんぱく質( たとえば 豆腐 )等をバランス
              よく取るといい事。 コレステロールの対策、青魚もいいとか。とり過ぎはいけない事」等、多岐に渡り話して頂けました。
               分かりやすいようにと、わざわざ資料を作成して持参して頂けました事を紙面上ではありますが、申し添えておきま
              す。
               


                

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