穿刺以降に継続する痛み及び透析中の血管痛についてとシャント血管のつまり 

          1.はじめに
             穿刺前にかなりの透析患者さんは、痛みを抑える部分麻酔用の湿布をはっておられるようです。私は、透析に入った時から何もしない
            で、直接穿刺をしてもらっています。最初は、17Gの針であったかと。かなり穿刺に自信のあるベテランのナースさんでした。

             採血とかは、今でも刺した時痛いです。採血時の針は、21か22Gでしょうか。かなり細い針です。それに比べて透析用の針は、それよ
            りかなり太い。私も錯覚していましたが、細くても痛いのなら、太ければ尚更痛い筈と。

             鉄針の透析針は、太くて硬い、くねくねしないようです。最初にその針を入れて頂きましたが、採血針程痛さを感じなかった事を記憶して
            おります。透析暦が長くなると、透析用鉄針も太くなり、16G−>15Gとなり、現在は、15Gです。

             よく研磨され、切れ味が鋭いと刺す時ほとんど痛みを感じません。切れ味が悪い、研磨の手抜きがあったのかどうか分かりませんが、
            業者から購入したセットのなかでも刺す時に痛い時がありました。同じ穿刺者の方でしたが・・・・。

             また、私が通院する透析内でもシャント血管がつまる患者さんがいます。私も透析患者、私もいつ つまるかも知れません。つまる原因
            を知れば、患者自身でも対処の仕様があろうかと思い筆をとりました。

          2.穿刺以降の血管痛
             刺す時の痛みは感じませんが、刺して以降継続する痛みには、閉口します。そうした時は、痛点を刺されたと感じます。皮膚には、痛み
            を感じる点が散在し、偶然かすった時は、透析中ずっと痛みます。極たまにですが・・・。そうした穿刺者を私は、「痛点狙いの名人」と言っ
            ておりました。そのナースさん申し訳なさそうにしてみえます。本当に極僅かな回数です。11年間透析を受けていますが、その穿刺回数は、
            1800回位でしょうか。数度あったでしょうか。その場所を私は、記憶しておりますから、そこは避けてもらっています。その場所を知らなか
            った時の回数ではあります。

             もう一つの血管痛は、やはり透析中ですが、透析を開始したしばらく後で起こる事があります。
             血管には、外側に密ではない神経の網が疎の状態で絡み付いているようです。血管が極度に膨張すると神経の網は伸縮自在ではないよ
            うで血管の膨らみを痛みと感じるようです。その痛みは、脱血側の血管内に入った穿刺針の先端部より前で起きているように感じます。

             おそらくシャント血管は、静脈であり、そこに動脈血が流れていますから血管内部の静脈にしかない逆流弁と穿刺針の入り方に関わってい
            ると推測しています。違うかもしれませんが・・・。

          3.シャント血管のつまり
             私がシャントをつくったのは、今から13年前。職業人であった頃通院していた春日井市の腎臓病学会に所属する医院ですが、そろそろ透析
            に備えシャントを作られてはというDrの話からでした。早速春日井市立市民病院でシャントを作成致しました。しかし、作成1年間は、使わずじ
            まいでした。クレアチニンの数値が、思ったほど進行せず、まだまだ透析に入らなくても済んでいたからです。

             仕事中貧血がひどくなり、立っていられない状況になった事が透析導入でありました。腎性貧血がひどくなった事によるものです。
             幸い私のシャントを作られたDrの腕が良かったのか、動脈血の流れる所へ手首近くの静脈を接合し、静脈に直接動脈血を流す接合口が適
            切な大きさであったからでしょうか。透析11年目が過ぎようとしていますが、未だにそのシャント血管は、立派に働いてくれているようです。

             平成28年(2016)年11月9日(水)のDr回診時、シャント血管のつまりの原因をお聞きいたしますと「接合口が狭く、動脈血の流れが悪いとつま
            り易い。」とか。血流が悪くなるのは、「多分に血管内壁への動脈硬化を発症させるコレステロールのせいである。」或いは「血管壁が厚く成る。」
            事等々を説明されました。

             血管壁が何故厚くなるのかは、お聞きしませんでしたが、おそらく穿刺やら止血失敗等々が考えられるのではないかと思いました。

             それで、思い余って別のDrでしょ方の相談コーナーに問い合わせますと「シャント狭窄の原因。吻合部の口径が小さくもともと流量が少ない。
            動脈や静脈がもともと細く、流量が出ないためシャント静脈が拡張しない。心不全等で血圧が低く、シャント静脈に十分な血液が流れず、シャント
            静脈が拡張しない。シャント静脈がもともと折れ曲がっていたり、分岐が多かったりして、直線部が少ない。穿刺失敗や、止血の失敗で血腫がで
            きて、血管が圧迫されて発育する前に荒廃する。フタコブラクダ穿刺を繰り返した為シャント静脈の太い場所と細い場所ができてしまった。繰り返
            すシャント拡張術により血管壁が硬化してしまった。もともと血管壁の柔軟性が少なく拡張しない。等々。」が返ってきました。

                             * 思い当たる事柄もあります。平成28年5月旅行透析で、とある福島県内の透析病院で透析をして頂いた折、私のシャント血流を測定して頂き
              ました。コンソール血流量数値は、400mL/分ですが、実際は、340mL/分しか出ないようです。私には、シャント血管(本来)以外にも腕の
              裏側にもう1本動脈血の流れる血管が存在しています。おそらく分岐した静脈血管でありましょう。こちらのシャント音は本来のシャント血管より
              遥かに弱い。その為、透析導入から3年目にフタコブラクダにならない穿刺を透析病院に依頼し、現在も続けております。何も考えていない頃
              の判断でしたが、それが今になって幸いしている可能性が高い。私自身、透析導入からあのみにくいこぶは、出来るだけ避けたいと考えてい
              ましたが、穿刺は、透析スタッフさんの領域と思い何も言いませんでした。1・2年と経つうち、穿刺箇所付近が、膨らんで来るようになり、その当
              時いた透析病院のスタッフの一人に、「私は、人工血管は苦手ですが、通常の血管であれば、どんな細い血管でも入れれます。」と言われてい
              た方がおられ、その方に依頼して、本来のシャント血管以外で使える擬似シャント血管を見つけて貰い、そこを返血血管に出来ないかと。偶然
              腕の裏側にあり、刺して貰いました。うまく出来る事が分かり、以来そのようにしております。*

             上記の事柄は、患者自身ではいかんともしがたい事柄ですとも付け加えられていましたが、「患者自身で出来るシャントのつまり対策は、シャント
            血管へ万遍無い穿刺をして貰う事でしょう。」とも付け加えられていました。

             当院Drの見解を更に詳しくして頂け、すっきり致しました。

                           付記
             某Drからは、血管へのアミロイド沈着にても血流の減少は起こりえる事を示唆された。血管へのアミロイド沈着は、一種のアミロイドーシス化であ
            りましょう。アミロイドは、一種の蛋白質であり、B2Mgもアルブミン(有用蛋白質)の変種であり、一種の蛋白質でもあります。
             血管へのアミロイドの沈着判断は、「血管への沈着が著明であれば紫斑や皮下出血、粘膜下出血などの出血傾向を認め、眼窩周囲の紫斑は特
            徴的である。」と。( http://amyloid1.umin.ne.jp/guideline2010.pdf 参照 )
             しかし、心配しないで頂きたい。某Drからは、血管へのアミロイドの沈着は、透析不足が原因であると言われ、十分な透析を続ければ発祥の可能
            性は高く無いのでは・・・。十分な透析とはどのような透析であるかは、透析患者各々が、自ら考える事なのでありましょうか。
               
             上記 PDFは、アミロイドーシス診療ガイドライン2010 2010年12月20日 発行 
                      編 集 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業アミロイドーシスに関する調査研究班
                      発 行 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業アミロイドーシスに関する調査研究班
                      研究班事務局 金沢大学大学院医学系研究科 脳老化・神経病態学(神経内科学)内
                                920-8640 石川県金沢市宝町13-1 電話 076-265-2293 FAX 076-234-4253   であります。
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             透析患者も透析に関わる事柄を知っていないと、透析スタッフさんは、患者の20年先・30年先までは考えては透析に当たられてはいない方が多数で
            はないかと僭越ですが、思います。その日その日の透析が恙無く終わればよしという方が多いのではなかろうかと・・・。(そのように思っていない透析
            スタッフさんも居られるとは思いますが・・・、未だそのような方に私は、お目にかかっておりません。)
             4時間透析・200mL/分の透析でよしとする風潮が蔓延している現状では、致し方がないのかも知れませんが・・・・。





 

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