信頼できる 人が受ける放射線量の限界は
1、はじめに
平成23年3月11日に起こった東北地方を襲った未曾有の大地震・大津波だけで、終わればよかったものを
取り返しの付かない原子力発電所の破壊が加わり、3年経っても、未だその道筋すら見えていない。地震直後
は、この原子力発電所の放射能問題が、話題に上らなかった事はありませんでした。
3年経っても、道筋が見えていないにも拘らず、テレビ・政治家の関心は、もう放射能の「ホ」の字も言わなくな
って久しい。
一体、人は、放射能をどの程度まで浴びても健康に害がないといえるのでしょうか。医者のHPをみると、小人
や妊婦さんは、年間100〜150ミリシーベルト以内であれば、とも言われているようです。通常の大人であれば、
一度に200ミりシーベルト以上浴びなければ、さしたる影響はないとも記述されているようです。
本当なのであろうか。出来るだけ少ない量の方が良いことは自明の理であります。
しかし、東日本大震災時、原爆症の権威 長崎大教授 山下俊一氏(その当時58歳カ)は、「100ミリシーベルト
以下なら心配ない。微量でも被爆すれば危ないというのは、間違いです。」と述べてみえたようですが、この真意
は、2014年(平成26年)2月の環境省 主催の「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」時、記者会見
の席上で、次のように述べられたとか。
「これは、一度の被爆で100ミリシーベルトの意味である。」と。
しかしであります。同氏は、震災前の2008年9月、長崎県で開かれた日本臨床内科医学界では、「主として20
歳未満の人達で、過剰な放射線を被爆すると、10〜100ミリシーベルトの間で発ガンが起こりうるリスクを否定
できません。」(日本臨床内科医会会誌09年3月号 参照)とも述べてみえます。
20歳未満という限定付きでありますが、学会向けと一般向けでは、発言内容が違うようであります。学会へは
警告的な、一般向けでは、集団心理に配慮されての安全という意味でありましょうか。
とすれば、原爆症の権威である同氏は、一般的に一度に100ミリシーベルト以上の被爆がなければ、安全であ
ろうと考えてみえると理解できましょうか。ところで、氏は、年間では、どの程度までが許容範囲であると考えてみ
えるのでしょうか。特には、発言もないようですが・・・。
まあ、通常の大人でも、1年間に、50ミリシーベルト以内であれば、さしたる健康被害は、起こらないと考えれば、
いいのかもしれません。(筆者の独断と偏見の見解に過ぎませんが・・・。)
2.自然界から受ける放射線量 ( 一般的な医学書に記載されている事柄です。)
・ 宇宙から・大地から 0.86ミリシーベルト (1年間)
・ 食物・空気中から
1.54ミリシーベルト (1年間) 計 2.4ミリシーベルト (1年間)
3.病院等で受ける放射線量 ( 詳しくは http://www.hospital.kasai.hyogo.jp/04sinr/05houka/001.html の
病院検査放射線量を参照下さい。その数値に準拠いたしました。尚、Gy≒Sv
として換算致しましたが、正確には、1Gy=0.8Svかと推察致しております。
自然放射線の被ばくは全身被ばくとして考えるので、組織荷重係数は1となり、
またエックス線、ガンマ線が多いのでGy≒Svと考えて、シーベルト(Sv)単位で
表現されます。と
)
・ 胸部レントゲン 1回あたり 約 0.2ミリシーベルト
・ 胃部レントゲン 〃 約20 ミリシーベルト
・ 胸部CT検査 〃
約 7 ミリシーベルト
・ 腹部CT検査 〃
約11 ミリシーベルト
・ MRI検査 〃 0 〃
*
こうした放射線量は、時間と共に減少し、体内には、蓄積されないとも言われているようです。
4、透析を受けている私自身が、1年間(平成25年)に受けた放射線量の概算
・ 自然界から 2.4 ミリシーベルト (世界標準)
・ 胸部レントゲン 年間6回
1、2 〃 0.2×6=1、2
・ 腹部CT検査 年間1回 11 〃
・ 胃部レントゲン(胃検診時) 20
〃
・ 市民病院での歯科での上あご
部分レントゲン 年間 5回 1、0 ミリシーベルト 0.2×5=1、0
(市民病院のX線技師さんにお聞きしましたが、数値より低い
のではとも言われていました。明確な数値は言われません
でしたが・・・。)
・ かかりつけの歯科医院にて口
腔部分レントゲン年間 3回 0.9
ミリシーベルト 0.3×3=0.9
(掛かりつけ歯科医院のDrから直接聞いた事に準拠)
・ 整形外科でのMRI検査 1回 0
以上 計 36.5 〃
上記のように、昨年(平成25年) 1年間では、多く見積もっても 私への年間の放射線量は、約37ミリシーベルト
かと。
この程度であれば、どうなのであろうか。尚、付け加えるとすれば、こうした放射線は体内に蓄積される事は無く、
時間と共に減少していくものであるということのようであります。
平成26年5月30日 一部訂正
平成26年6月 5日 一部加筆