病院内での常識・非常識
                                      − 主に透析病院での事 −

           1.はじめに
              数年前、とある病院では、作り置きの液から、その液を使われた患者さんが、亡くなるという痛ましい
             事件が、新聞紙上をにぎわした事があった。

              よくよく新聞を読めば、今までこうした事故が起きなかったから、日常的に作り置きをして、使用され
             ていたとか。病院長は、知っていたかどうかまでは、忘れましたが、当然、監督責任がある立場であり
             ましょうから何らかの制裁を受けられたのでありましょう。

              おそらく、朝きてこうした液を作るのは、多忙ゆえに先にと、病院関係者(この場合は、液を作る担当)
             は、ちょっとでも楽になるようにと、されたのか、使用し切れなかった液を廃棄せずに使われたのかも知
             れません。何事も無く済んでしまった事だけに、気の緩みも出来たのかも知れません。今までに何事も
             無かったから、これ以後も無いだろうと・・・。

              そんな矢先の死亡事故であったのではなかろうか。死者が出なければ、永遠に続いた事であったかも。

              こうした非常識な事が、得てして常識に転化してしまっていることは、まだあるのではなかろうかと思って
             しまうのは、私だけでありましょうか。

           2.透析病院内の事
              数年前、まだ私が、公共交通機関を使って、透析病院に通っていた時、私は、退職していましたので、
             透析は、明るい内に終え、帰宅するのが、いつものパターンでありました。
              しかし、時には、夜の透析でないと出来ない事情もでき、4時以降から始まる透析をして頂きますと、透
             析時間が、長時間透析でありますので、帰りは、病院から駅までのバスが、無くなり、已む無く病院の送り
             迎えのバスに便乗させてもらい駅まで行ってもらっていました。駅からは、午後11時過ぎまで、家の近くま
             で行く公共交通機関のバスがあり、助かっておりました。(名鉄は、早い時刻で終バスとなっています。)

              そうした乗り合わせの無料病院バスは、病院から近い方から順次降ろして行かれますが、寒い冬の頃
             は、先に私のバスの時刻があり、その方も、私は家まで送って貰えますし、早く帰った所で特に何もしませ
             んからと言って、私の送りを優先して頂ける事が、多々ありました。

              そうこうしている内に、送迎用のバスの中で、会話もするようになり、先方から話かけてこられました。「
             最近の看護師さんは、患者の血圧が下がってきても、足を曲げるというベッドの作動をしないとか。患者の
             最終処理をする時、ゴムの手袋をしない。特に○○さん。」とか、いろいろ言われたように思います。全ては
             覚えていませんが・・・。

              そう言われて、病室内の他の患者さんの様子も気をつけてみていましたが、確かに、血圧低下をきたしても、
             「大丈夫ですか。」という声かけ位で、済まされる事ばかりでした。ここの病室では、透析をやり始めの処置の
             時は、確かに、ゴムの手袋を全員付けて処置されています。最後の時は、針を抜く等の作業があり、血が、ナ
             ースさんの手に付く事も多々あるようです。

              その事を言われた方は、ナースさんを心配しての言葉ではなかったかと。ナースさんのなかには、帰りを早く
             する為でしょうか、廊下の掃除等をされに、手のすいた時に行かれるようであり、勿論処置に掛かる時は、手を
             洗ってはみえていますが、万が一の事を患者さんは、心配してみえたようです。

              その話を聞いて、細菌だけでなく、血液の病気(B・C型肝炎を含む)もあり、こうした血液を取り扱う所では、
             何が起こるか分からない事とは、考えられないのかと・・・。思ってしまった事は事実であります。
                              しかし、おそらくゴム手袋をしないでも、かってそのような事など起こっていない、またこれ以後も起こらない
             とたかをくくってみえるのかも知れません。これって、どこかの話と似ているのでは・・・・。

              そして、再度夜の部の透析に行った時、話かけてこられた方が、最終の処置にきたナースさんを断ってみえ
             たように聞こえ、何事かと聞き耳をたてていると、やはり、先回話してみえたナースさんの事でありました。

              私は、知らなかったのですが、苦情を言う有名人だとナース仲間の間では熟知されていたという。ご丁寧に
             ナースさんは、知らない患者さんに、小声でその事を話されていました。全てのナースさんの共通事項である
             ようで、昼間患者さんにも、それとなくそうした話をされているようでした。
              こうした事柄が、平然と行われている事は、そうした方だけでなく、全ての患者さんの事は、話される本人の
             み知らない事でありましょう。筒抜けなのかも知れません。オープンと言えば聞こえはいいのですが、秘守義
             務なんという言葉は、建前なのかも知れません。

              その患者さんは、その病院に見切りをつけられたのか、ある日突然に姿がみえなくなりました。これって、て
             いのいい合法的な追い出しであったのかも知れません。それからは、私もその患者さんに遇う事はなくなりま
             した。

              その患者さんの言ってみえることは、的を得た指摘であったのではないかと・・・。今でもそう思います。 

              以前、私が、鳥取方面への旅行で、某透析病院の臨時透析を受けた事がありました。その病院では、透析
             用の針は、全てやわらかな針であり、鉄針は、まったく使用されていなかった。私は、どちらかというと鉄針の
             方が好きなので、ついDrに、「どうして鉄針を使われないのですか。」と不躾にもお聞きした事があります。その
             Dr「万が一、鉄針だと、ナースが、間違って血の付いた針先を自分に刺し、何かが起こった時、責任が、取れ
             ない場合もありましょうから、針の費用は弱冠高くなりますが、迷わず使用しています。」と即答されました。
              こういう病院長もいるのかと、改めて感心してしまった次第です。

              つい今日も、透析中に、トイレへ行く処置をして頂きましたが、ベテランの長の付くような二人でありましたが、
             ゴム手袋を着用されず、処置、当然最終の処置も手袋なしで処置してみえました。
              私も言わなくても良いのに、「私の血がナースさんの手についていますよ。私の血は怖いですよ。」と言いまし
             たが、無しのつぶて。これが、常識なのでしょう。

              される方とされない方が、あり、まちまちな対応が、この病室の特徴ではありましょうか。

              そうそう、この透析室には、補助の方もあり、ナースさんの手伝いはされませんが、バケツを配布したり、患者
             さんの食事の配膳等されていますが、お喋り好きな方で、よく暇を見つけては、世間話を患者さんとかなり大きな
             声で話されます。また、話し始めると長い。何度も小声でという要望を出していますが、なかなか。本人さんは、そ
             れでも、気をつけてみえるのでしょうか。聞きたくもない話をえんえんと聞く側の身にもなって下さい。ちょうど、バス
             の中で、元気よく話される中年の女性の会話と考えて下さい。逃げたくても逃げれない場所なのですから。

              バスの中では、よく「お客様の迷惑になりますから、携帯等は、使わず、マナーモードを」とは良く聞きますが、お
             しゃべりの声については、ついぞ小声でとか、運転手さんから直接、「大きな声で話されているお客様、ご迷惑にな
             りますから、小声で等」とアナウンスされた事を聞いたことは、未だに一回もありません。
              病室内でも、一回でもそのような注意が、あったとは思えません。

              ある時は、思い切って「世間話は、病室ではしないでくれませんか。」と言ったこともありますし、ある時など、昼の
             透析が終盤になり、残る患者さん1・2名位の時、仲間内で大きな声で、「アーーー終わった。」と言い合って見え
             ました。残っている患者さんにとって、俺たちは、患者ではないのかと思った方もあったという。

              次の透析日に、「私は、患者なのですが・・・。」という声も聞こえた。その補助の方は、キョトンとされてみえました
             ので、「あーー終わった。」と言われましたでしょう。「覚えていません。」と。

              かように、自分の言葉に責任を持たない方かと思いました。
              人はいいのですが、やや配慮が足りないのでは・・。一緒に「あーーー終わった。」と言っていた方は、男の方で、
             最近この病院に来られたようですが、何時の間にか、姿がみえないと思いましたら、「ここは、私には合わないから
             やめます。」と言って退職されたとか。

              病院内(透析室)は、家とは違うはず。それなりに配慮すべき事もあろう筈。ここの病院は、各自がてんでばらばら、
             自由奔放さが、売りなのかも知れませんが、ある程度は、一本筋が通る事も必要ではないかと・・・、思いますが。
              このように思うのは、私だけなのであろうか。

              そうそう、テレビ視聴においては、イヤホーン使用とは、決められておりますが、話し言葉については、フリーなので
             しょう。

              
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