アルブミン値が分かる血液検査票からみたカルシュウム値の前後値の推移
1.はじめに
不思議な動きをするCa値について考えてみたい。
私のオキサロール使用量は、平成26年7月より月・金 5μ、水のみ2.5μとなった。インタクトPTH値が上昇傾向になっている為です。
オキサロールを多くするとCa値が上昇するという副作用があるようで、注意深く使用する事と取説には、記載されていた。
2.平成26年7月〜現在に至るアルブミン値が分かる血液検査月の血液検査票から
血液検査データ H 26/ 7/ 23 透析剤は、濃度差の違う種類があり、最近では、キンダリー4Eが最適とか。
透析前 透析後 除去率(%)
当院の透析液は、キンダリー透析剤4E(扶桑薬品工業株式会社製)
尿素窒素 42.4
6.6
84.4
であり、その使用説明書に記載の調整後の電解質濃度 (理論値)は、
クレアチニン(〃
8.97
2.15
76.0
カルシュウム Ca
2.75
mEq/Lとか。
カリウム(mEq/l) 4.4
3.2 取説通りの作成ならばですが・・・。当院では、透析液濃度の検査は、
カルシュム(mg/dl) 9.7
9.7 Caについては、行われていないとお聞きしています。
リン (〃) 4.1
1.6
(どの透析病院でも、お金がかかるから実施していない筈と当院技師さんの答え)
尿酸 7.0
0.8
平成26年7月23日のCa値 透析前9.7mg/dlであれば、97mg/
P×Ca 39.8 Lとなりましょうか。
ヘモグロビン 12.5
97÷20=4.85mEq/Lとなりましょう。
ヘマトクリット 37.2
*
参考までに Ca濃度を mgに換算すると
アルブミン値
4.4 1 mEq/L = 0.5 mmol/L =
20
mg/Lとか。20mg/L=2mg/dlか。
i-PTH
191 Ca
2.75
mEq/Lは、2.75×20=55mg/L
5.5mg/dl。上記換算は、下記URLを参照。
Kt/v値 2.13 ( http://ziomatrix18.blog68.fc2.com/blog-entry-351.html
)
QB
340 QD 600 DW
76Kg 上記濃度の透析液Ca液であるようですが、 Ca濃度が、
ダイアライザー ニプロ MFX-25s
2.5では低すぎ、3mEq/Lだと高すぎるようです。 微妙な濃度差です。
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時 透析前 透析後
前体重 76.0Kg
後体重 75.2Kg ( 除水量0.8Kg ) H 26/ 7/ 23 カルシュム(mg/dl) 9.7
9.7
H 26/ 10/ 20 〃 8.9
9.4
血液検査データ H 26/ 10/ 20
透析前 透析後 除去率 (%)
H 27/ 1/ 26 〃 9.5
9.9 (前値ノミ補正)
尿素窒素(mg/dl) 50.3
6.8
86.4
H 27/ 2/ 23 〃
9.4
9.4 〃
クレアチニン(〃)
9.86
2.09 78.8
H27/ 3/ 9 〃
9.4
9.6
〃
カリウム(mEq/l) 4.2
2.9 H27/ 3/ 23
〃 9.7 9.3 〃
カルシュム(mg/dl) 8.9
9.4 H 27/ 4/ 27 カルシュウム
9.2
9.1
〃
リン (〃) 4.1
1.5
H 27/ 5/25 〃
9.4
9.6
〃
H 27/ 6/22
〃
9.5
9.7 〃
P×Ca
36.5
平成26年7月〜平成27年6月22日までは、透析後Ca値は、透析前
尿酸
7.3
0.7 値より高い傾向にあり、透析液Ca濃度は、キンダリー透析剤4Eでは
アルブミン値
4.1 そのような傾向で推移するのでしょう。
ヘモグロビン(g/dl)
11.1
しかし、H27/3/23とH27/4/27では、逆に下がっている。本当に透析
ヘマトクリット 33.7 液は、規定の数値で作られたのであろうか。
B2MG値
18.1
3.2
82.3 只、透析後のアルブミン値は、当院では調べていませんから濃縮さ
i-PTH
138 れている可能性が高い筈。当然高い数値として出てくる筈であろうか
血糖値
95 と。
Kt/v値
2.47
QB
360
QD 600
一番新しく当院に赴任された技師さんは、透析に詳しい方のようで、
ダイアライザー ニプロ MFX-25s
聞けば、直ぐに答えて貰えます。
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時 当院の透析液は、機械が作りますからどなたが作業されても同一
前体重 77.7Kg 後体重 74.6Kg
DW
74.5Kg ( 除水量 3.1Kg ) の透析液になりますと答えられています。この機械は、私が、当院
に転院してから替わっていないと推測致します。
とすれば、何回透析してもCa値の推移は、透析液が限りなく規定値
血液検査データ H 27/ 1/ 26 どおりに作製されたのであれば、透析後のCa値は、前値が9.7〜10
透析前 透析後 除去率
mg/dL(約5mEq/L)であっても、下がる事は考えられない。
尿素窒素(mg/dl) 53.3
8.0
85.0
クレアチニン(〃) 10.83 2.47 77.2
しかるに、当院では考えられないCa前値でも透析後Ca値が下がる
カリウム(mEq/l) 3.9 3.4 場合があるようです。透析は、時間も血流量も透析液流量も不変で
カルシュム(mg/dl)
9.5 10.0 (補正値) あります。
リン (〃)
4.9
2.0 これは、技師さんが透析液について患者さんに正しい説明をされて
P×Ca
46.6 いない事に由来するのでは・・・・。
尿酸 8.3
1.0
アルブミン値
3.9 平成29年1月末 再度透析液濃度の事柄をお聞きしますと、当院
ヘモグロビン(g/dl) 11.9
では、月1回 血液検査と同じ外部の機関にてされているとか。
ヘマトクリット(%)
35.2 実際にその検査表をみせて頂きました。
血糖値 98 (以前の説明とやや違ってきております。)
i-PTH (pg/ml)
115
Kt/v値
2.34 透析液は、同一の透析剤であれば、いつでも濃度は同じ?
QB
360
QD 600 透析医学会ガイドラインによれば、カルシュウム値の適正範囲は、
ダイアライザー ニプロ MFX-25s
血清補正Ca(カルシュウム)値は、8.4〜10.0mg/dl。
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時 透析前Ca値でみれば、平成27年12月の1回を除いて適正範囲
前体重 77.5Kg
後体重 74.4Kg
DW 74.5Kg ( 除水量 3.1Kg )
内に収まっているようですが、透析前のCa値は、上限域を推移してい
ます。
血液検査データ H 27/ 2/ 23 平成28年8月3日(水)のDr回診時、透析前・後でCa値が高くなったり
透析前 透析後 除去率(%)
低くなったりしている事について質問を致しました。
尿素窒素(mg/dl)
49.6
7.2 85.5 Dr曰「細胞内のCaが、細胞外に出れば、高くなり、細胞外から細胞内
クレアチニン(〃) 11.02
2.19 80.1 へ移動すれば、低くなる。」と。透析での浸透圧等での除去率の低さから
カリウム(mEq/l) 4.1
3.0 みて、体内の浸透圧での移動もDrの言われるような事が、関わっている
カルシュム(mg/dl)
9.4 9.5
(補正値) のか不思議で仕方がありません。
リン (〃)
4.7
1.6 微妙な透析液Ca濃度差で、透析後の様子が違ってくる事は、諸先達諸
尿酸
7.9 0.8 兄からレクチャーを受けましたから。
アルブミン値
3.9
(Ca濃度2.5の透析液で オンラインHDFを行うと PTHの上昇ビタミンD3
やレグバラの増量になりました。という知り合いの患者さんからの一例)
ヘモグロビン(g/dl) 12.0
腎臓が正規に働いていれば、うまくCa・リン・甲状腺ホルモン等を監視
ヘマトクリット(%) 35.6
し、再利用やらコントロールしてくれる筈ですが、残念な事に私は、腎不
血糖値 108 全の透析患者、コントロールやらは維持透析治療と称する人為的な行為
i-PTH (pg/ml) 118 に委ねるしかありません。
Kt/v値 2.36 透析液等に関わる技師さんの技量や真摯さに依存しています。
QB
360
QD 600 現在は、副甲状腺から出ているPTHと呼称するホルモン異常に悩ま
ダイアライザー ニプロ MFX-25s
されています。インタクト値の上昇という現象にです。
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時
前体重 77.2Kg 後体重
75.1Kg DW
75.3Kg ( 除水量 2.1Kg ) PTHの検査は、通常インタクトPTH検査が一般的ですが、この検査の
欠点は、本来 副甲状腺からの1−84PTH(体内の骨を溶かすホルモン)
血液検査データ H27/ 3/ 9
だけでなく、抹消端末で産生される7−84PTH(1−84PTHホルモンの
透析前 透析後 除去率(%)
活性を阻害するホルモン)をも拾って数値化するようで、1−84PTH のみ
尿素窒素(mg/dl) 56.2
8.0 85.8 を数値化するホールPTH検査が開発されている。
クレアチニン(〃) 11.76
2.38
79.8 :*
http://www.medience.co.jp/information/pdf/04-13.pdf
参照
*
カリウム(mEq/l) 4.5
3.3
その検査を平成28年8月1日(月)に受け、3日(水)に結果を頂きま
カルシュム(mg/dl)
9.4
9.6 (前値ノミ補正) した。99.9pg/ml。正常範囲の低い方かと。
リン (〃) 4.5
2.1 同年7月25日(月)のインタクトPTH値は、251pg/ml。
P×Ca 43.7
尿酸 (mg/dl) 9.3
0.9 残念な事に8月1日は、ホールのみで、インタクト値は、検査されて
B2-MG (μg/ml) 20.6
4.1 80.1 いません。8月1日もインタクト値は、25日と同様とすれば、1日(月)
ヘモグロビン(g/dl) 10.9
の7−84PTHは、251−99.9≒151pg/ml(推定)となりましょう
ヘマトクリット(%)
32.6
か。
アルブミン値 (g/dl)
3.7 やや7−84PTHが多く、1−84PTHは、少なかったのではなか
i-PTH (pg/ml)
97 ろうか。1−84PTHは、一応目標の適正範囲内であるようですが・・。
Kt/v値
2.37 詳しくは、http://www.geocities.jp/blackwildhamster/pth.html
を
QB 360
QD 600 参照されたい。
ダイアライザー ニプロ FIX−250s eco そこで、登場してきたのが、シナカルセト(レグパラ)です。これは副
甲状腺機能を抑制し、それぞれ副甲状腺表面のビタミンD受容体、
カルシウム受容体を増加させる作用があるようです。
レグパラは副甲状腺に高カルシウムであると勘違いさせる事でPTH
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時 の分泌を抑制するようです。
ヘパリン ワンショット4mℓ 3mℓ/時(6時間通し)計22mℓ シナカルセトの投与では副作用として低カルシウムが起こるためPTH
前体重 77.4Kg
後体重 74.9Kg DW
75.3Kg ( 除水量 2.5Kg ) の管理目標とする値までシナカルセトを使用することができない例がで
てきます。D剤とシナカルセトを併用することで相乗効果を発揮し、互い
の副作用を打ち消しあい、副甲状腺を退縮させる可能性があるといわ
れています。詳しくは、下記 URLを参照されたい。
( http://members3.jcom.home.ne.jp/kanajin/senyou/kako/ippan/ip-82-01.pdf
及び
http://touseki-hyakuwa.blogspot.jp/
透析百話内にも興味深い記述がありました。 )
血液検査データ H27/ 3/ 23 確かに、シナカルセト(レグパラ錠)登場以後、副甲状腺肥大からの
透析前 透析後 除去率(%) PTx(摘出手術)は、激減したと聞き及んでおります。皆無かどうかは
尿素窒素
49.1
7.1
85.5 不明ですが・・・。 レグパラ錠は、2008年以降使えるようになったとか。
クレアチニン
11.41 2.44
78.6 平成28年8月10日 記述
カリウム
3.6
3.2 平成28年8月16日 加筆訂正
カルシュウム 9.7 9.6
( 補正値
) 平成29年1月31日 削除加筆
リン
5.0
2.2
P×Ca 48.5 *
注 http://members3.jcom.home.ne.jp/kanajin/senyou/kako/ippan/ip-82-01.pdf
なる
尿酸 8.4
0.9 URLは、会員専用となり、一般には、閲覧不可となっております。(平成29年2月21日)
ヘモグロビン 11.4
ヘマトクリット
34.0
アルブミン値 3.7
i-PTH 96
Kt/v値 2.34
QB 360
QD 600
ダイアライザー ニプロ FIX−250s eco
針 15G 6時間透析 補液 10リットル/時
前体重 77.0Kg
後体重 74.6Kg DW 75.0 Kg ( 除水量 2.4Kg )