私のATVの推移とアルブミン値・凝固系検査から分かる事
1.はじめに
透析中に残血が回路内に出現するようになって今日現在(平成30年1月)で、かれこれ6年になりましょうか。
出現当時は、当院Drも、透析に支障が無ければ、様子見という方針であった。私は、原因が、どこにあるのか知りたくて、いろいろな所に問い合わせ
等をしていた。恐れていたのは、透析不能になる事。今は、辛うじて透析は出来えている状態ですが・・・。
某所のDrからは、「ATV」を疑ってみてはとか、病的なものとか。こうも言われた「透析後の設定体重が低すぎて、透析終盤の血液濃縮率が高くなり
すぎても凝血しやすくなる。」と。ひとまずDIC・HITは除外した。
2.私のATVの推移とアルブミン値一覧
H21/4/20
H27/3/18 H28/3/18 H29/7/4
H29/12/20 H29/12/28 H30/1/10
H30/1/24 基準値
ATV(%)
83.6
74
71
67
76.7
71
72.7
61.3 当院 79〜121 他院 80〜130%
アルブミン値
?
3.7カ 3.5〜3.6カ
3.5カ
3.7〜3.9カ
?
3.8 3.8〜3.9カ
備考 3/9 3/23 2/22 3/28 6/26 7/10 12/11
12/25
1/22
3.7 3.7 3.5
3.6 3.5 3.5
3.7
3.9
3.9
当院検査 当院検査
他院検査 他院検査 当院検査 他院検査 当院検査 当院検査
(転院時) (自費)
*
某所のDrからは、ATとアルブミンは、比例関係にあるのではという指摘を頂いている。確かにそのような関係であるようにみえますが、H30年1月
の末頃のATとアルブミン値は、比例とはやや違うのではないかと。*
ATの数値については、かなりばらつきがあるようです。この数値が正しければ、AT値は、急激な低下や、上昇をするように思える。当院基準値は、79〜
121%であるようで、他院では、80〜130%とあるように若干相違もあるようです。
しかし、私の数値で言えば、調べた回数のほとんどは、基準値以下であるようです。が、Drの感覚からすれば、この程度であれば、特に問題無いと把握
できるようです。H30/1/24のAT値とアルブミン値の関係からすれば、少し違和感を感じますからこの数値が正しければ、AT値が61.3%でも、やや残血が
出ますが、透析は問題無く出来えるようです。(この時は、未分画へパリン使用時であります。)
いったい、私のAT値は、幾つ以下になった場合に透析が出来なくなるのでありましょうか。
アルガトロバン薬の使用説明書には、「HIT患者・ATV値が70%以下の透析患者に於いては、へパリンナトリュウム薬使用下で、残血症状が激しく、尚
かつ透析が出来兼ねる状況で有れば、アルガトロバン薬を使用できる。」とあり、ATV値は、70%以下からが基準になっているようです。しかし、70%以
下だけでは、使用不可のようでありましょうか。
某所のDrは、上記使用説明書の記述に合致する透析患者には、アルガトロバン薬を投与されているかのようです。フサン薬の事もご承知のようで、他所
のクリニックでは、使用しているようだと話されている。おそらく、フサン薬には、重大な欠陥(副作用)があり、十分薬を溶解しないで使用した場合、十分溶
解されていても、透析回路中に結晶が析出する等指摘されているようで、稀に透析中この結晶が体内に入り、透析患者の肝臓を壊しかねないとも聞く。
薬には、副作用は付き物ですが、クリニックで、溶解作業が行われ易い所では、人が作業するわけですからミスが起きないという保証は何も無い。「ごめ
んなさい。」で済む問題では無いのではなかろうか。アルガトロバンより、かなり安価に済む薬(フサン)であるが故の選択でありましょうが・・・・。
こうした選択がされる根本原因は、国(厚労省等)の社会福祉費等の経費増大という問題の解決推進策(裏を返せば患者の人命軽視に繋がりかねない問
題を含んでいる策カ)と深く関わっている事柄のように感じるのは、私一人だけであろうか。
3.凝固系検査から
検査名 結果
H21/4/20 H28/3/24 H29/7/11
H29/12/28
H30/1/5 H30/1/10 H30/1/24 基準値
・トロンボテスト 141 83
70〜130%
・プロトロンビン時間 11.2 12.2
11.3
11.7
11.7
11.0〜12.5 秒 (平成元年12月19日よ
り平成10年2月3日まで)
・APTT
25.8 30.6
27.7
27.3
30.3 29.4
25.0 〜 36.0秒 ※基準値は施設ごと
で異なる場合があります。
・Fib 429 402
316
200〜400mg/dl
・ヘパプラスチン 108
70〜130%
・DDダイマー 1.9
2.1
上限値 1μg/ml
・ 備考 当院検査 他院検査 他院検査
他院検査 当院検査 当院検査
当院検査
凝固系の検査に於いても、特に透析に関わる事柄で不可となるような数値ではなさそうです。
しばらく、低分子へパリン ショット 1500単位 持続 500単位/時の6時間で様子をみていくしかなさそうです。
低分子へパリンの抗凝固能は、未分画へパリン(通常のへパリン)よりは、1.5倍位あるとも聞く。そうであれば、上記の容量で透析をした場合、相当の働き
をする可能性があろうかと推測します。
しかし、平成30年1月26日(金)に実施しましたが、それ程の効果はでていないかのようです。まだ、1回ですから何とも言えませんが・・・・。
< その後、5回行いましたが、どれもAチャンパ底部に小さな血の塊(2ヶ所)と壁面には血のりが4分の1強ほど付いている状態でした。そうそう1回のみ(
1月29日)残血チェックのカードが下がっていましたが、返血作業に来られた技師さんは、水を抜く時無造作に扱われ、固定せずAチャンパから手を離し、下
に落とされた。水抜き作業に不慣れなようで、この時だけが、Aチャンパの流れ出す管の中間部に黒い塊があるようにみえていましたが、下に落としてからは、
管の上部と中間部のやや下に黒い塊(血の塊)として残った。調査していますから慎重な扱いをして欲しかった。結局劇的な改善傾向はみられないようでした。
平成30年2月5日より抗凝固剤低分子へパリンー>未分画へパリンに変更されました。>
*
インターネット上には、透析病院で働く看護師の方からの相談が載っています。AT欠乏症透析患者さんらしき方への抗凝固剤(未分画へパリン・低分子ヘ
パリン)についての質問。その回答として、「へパリンは血中でAT
IIIと結合して凝固阻害作用を亢進させ、トロンビンを失活させて抗凝固作用を発揮します。
したがってAT
IIIが存在しない(低い)AT
III欠損症では結合相手がいないため効力を発揮しません。
低分子量ヘパリンもヘパリンと同様の作用機序をもちますが、トロンビンとの結合力が弱く、抗トロンビン作用が少ない一方で主に活性第X因子を阻害し
て凝固阻害作用や抗血栓効果を発揮します。」と。多少凝固系に対する働きの機序が違うようです。
( https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1064254845?__ysp=YXRpaWnmrKDkuY%2Fnl4cg5a6f5oWL
より引用 )*
4.DWについて
一昨年、5月頃自分では、DWは適切だろうと思っていましたが、突然一日中の血圧が110台を下回る日々が続き、挙句頻脈(脈拍数が100を超える)まで
が出てきた。何故だろうと思い、某Drにお聞きすると、血圧値が低くなれば、代償措置で頻脈は起こりえると。
早速、DWを1kg上げた。そうするとその透析翌日には、普通に戻っていた。そして、東北への旅行を無事終える事が出来ました。
よくよく考慮すると、透析中の食事量と徐水に入れられている量が違うのではないかという事と、冬場から徐々に体重が増えていた事を過小評価した事ではな
かろうかと。今日現在(平成30年1月)でも、体重増にDWがついていっていないのではと思う事がある。現在 DW74.5kgで、日々除水量から100〜200m
Lの調整をしていますが、透析以後の血圧値は、110台より低い時が出てきている。もしかすると、0.5KgあげたDW 75.0Kgの方がいいのかも知れないと
思う今日この頃です。こうしないと私もやがて、低血圧症状を呈する透析患者群の仲間入りしそうです。
某Drからの「透析後の設定体重が低すぎて、透析終盤の血液濃縮率が高くなりすぎても凝血しやすくなる。」が、思い出された。
私は、心胸比を出来るだけ低めに設定していますから、徐水もぎりぎりまでしていると思っています。だから、僅か100mLでも多く徐水するとたちまち透析最終
の血圧値は、110台を下回ることがちょくちょく起こるようです。
そして、回路内の凝血がひどくなるのは、決まって年末に多いようです。DWへの冬場の体重増の評価が、過小過ぎるのかも知れないと推測しますが・・・・。
あくまで、推測に過ぎませんが・・・・・・・・。
H30/1/29のDr回診時 「透析終盤の血液濃縮率が高くなりすぎても凝血しやすくなる。」という事を話しますと、そのような事は聞いた事がないと一笑に付された。
確かに、これが原因であれば、昨年12月頃から平成30年1月中旬間は、それ程急激な徐水をしていないと思いますし、透析終了時の血圧も、通常と変わらなか
ったと思っていますが・・・。或いは、血液凝縮率が高くなって、それなら、毎回透析不能状態が起こっても不思議ではない筈ですが、稀にしか起こらない。
ATでもなく、凝固系でもない。「透析終盤の血液濃縮率が高くなりすぎても凝血しやすくなる。」でもなければ、何が関わっているのであろうか。やはり、へパリンに
関わることしか思いつきませんが・・・・。
平成30(2018)年1月29日 脱稿
〃 一部加筆